泡瀬干潟埋立の問題点

2004年8月31日現在 泡瀬干潟を守る連絡会

1.貴重な動植物が生息している世界の宝

新種の海草「ホソウミヒルモ」、日本新産(日本発発見)の貝「ニライカナイゴウナ」(ソメワケグリガイに寄生) 海藻の新種「リュウキュウヅタ」、ヒメウミヒルモ(絶滅危惧U類)、ウミヒルモSP、オボロヅキ、オキナワヤワラガニ、ドロアワモチ、キナコアワモチ、オサガニヤドリガイ(メナカオサガニに寄生)、ジュゴンの糞、 貝類約308種(種類数・個体数が多い・日本一)、 海草12のうち11種(リュウキュウアマモ、ボウバアマモ、リュウキュウスガモ、ベニアマモ、コアマモ、ウミジグサ、マツバウミジグサ、ウミヒルモ、ウミヒルモSP、ホソウミヒルモ、ヒメウミヒルモ)が泡瀬に生息(ウミショウブだけなし) 世界自然遺産に登録されるべき地域

04年7月に水深6mのコアマモ群落、沖縄最大のカラクサモク群落が工事区域内にあることが判明

04年8月には新たに5種の貴重種貝を確認(オキナワハナムシロ、カゲロウヨフバイ、コウシヒメムシロ、ヤマホトトギス、コバコガイ)

2.泡瀬干潟は沖縄最大の干潟、渡り鳥(シギ・チドリ類)の飛来数は沖縄最大

全国的にも第3位(ムナグロのみでは全国一、日本全体のムナグロの53%は泡瀬で越冬)  渡り鳥 約150種 越冬種類数は全国一

ラムサール条約事務局から「埋立中止」の要請(日本国の環境大臣・川口・当時に) クロツラヘラサギ、最近「ヘラシギ(沖縄で20年ぶりに撮影)」の報道

「干潟が80%残るから大丈夫」はごまかし

干潟面積265ヘクタール、埋立てられる干潟55ヘクタール(約20%)これは事実 しかし、出島方式で残った干潟は「死の干潟」、(新港地区の前例 渡り鳥千分の1・貝・潮干狩りなし) (和白干潟の前例→フタエグサの異常発生)

 「出島方式だから、自然環境が保全される」のごまかし

沖縄は埋立率全国一、自然海岸消滅率全国一  →  自然破壊全国一

3.軍用地に取られて土地が無いから埋め立ては「うそ」

沖縄市と石川市、具志川市の境目周辺は返還予定地で、「農業観光地」の候補地になっていたが、仲宗根市長になってから返還を求めず「20年契約」をして基地に提供した。ダキヤンバル 白川分とん地 知花弾薬庫   

しかも約17.8ha(制限海域、多目的広場)は新たな軍用地として提供(市民負担約100億円以上)

4.リゾート地として計画されているが、希望しているホテルは「果てしなくゼロに近い」

 周辺ホテルの事情 グランメールホテル(最近12年間放置されていたが、04年4月から開業)  北中城高台のホテル(シェラトン→EM) 倒産 東急ホテル  北谷に大型ホテル建設中 読谷のリゾートホテル(アリビラ)も当初計画を縮小して建設 ホテル1室、ペアで1泊4万2千円(宿泊・飲食・お土産)使わないと採算が合わない計画、1室年間1000万円の売り上げ・稼働率65%→1000÷365×0.65=4万2千円 西海岸のリゾート地のホテル代(シーズンオフでペア10、000円程度)

 沖縄県・沖縄市の「確認作業結果(02年3月)」→「条件整備と努力を前提とすれば可能」

沖縄市にも泳げる海(海岸)がほしいよ(子どもの声?)→世界に誇る生物多様性を持つ泡瀬干潟を埋立てて、人工ビーチを作ることが子どもの夢か?

人工ビーチは砂流出等維持費も莫大(沖縄市民が負担する)

知念村のマリンタウンプロジェクト断念・・賢明との評価

5.計画されている栽培漁業センター、海洋研究所も「絵に描いたモチ」「計画なし」 

栽培漁業センター(中城湾地区漁業組合連合、会長・沖縄市長)、海洋研究所(琉大)、両施設とも予定がない。貴重な海を埋めて、研究所・栽培漁業施設を造るのも、矛盾した計画。

6.具志川の埋立地(新港地区)の航路の浚渫土砂の捨て場

特別自由貿易地域(FTZ)90社予定に僅か11社?、しかも原材料輸入加工業者はゼロ 5,6万トン級の大型貨物船の浚渫(深さ13m、幅330m)は必要性が極めて薄い、しかも現在の港(水深13m)もあまり利用されていない

辺野古の事業のヤードの候補地に上がるくらい(沖縄総合事務局・県は否定しているが、辺野古環境アセス準備書に、新港地区が3つの候補地の一つとしてあがる)  最近(6月30日、新報)防衛施設庁が沖縄県に正式に使用を打診している。(県と協議したことは事実・・内閣府答弁)

(新港地区は埋立完了して後、永い期間遊休化している、浚渫の緊急性はない。辺野古基地のための埋立?)

本当に浚渫が必要であれば、浚渫土砂の利用の「代替案」を考えるべき。大型事業に「代替案」がないのは、アセス法の精神に反する。

7.国が埋立に参加する前(1998年以前)は沖縄市の単独事業の埋立申請に対して国は認可しなかった。(将来性がない、沖縄市の負担になるという理由)

新港地区の浚渫土砂の捨て場に困った国が、急遽事業に参入して事業が推進された。

しかも、新港地区の埋立は、港と航路の浚渫土砂を使う予定であったが、質が悪いために、急きょ変更して、購入土砂を使って埋めた。そのために浚渫土砂が余って、国はその捨て場にこまって、泡瀬干潟埋立事業に参入してきた。

沖縄市の単独事業のときは「将来性がない、沖縄市の負担になる」という理由で認可しなかった国が、浚渫土砂の捨て場に困って、事業に参入するのは、あまりにも理不尽、行政の一貫性がない。

8.沖縄市の負担約271億円(沖縄市の一般会計予算約300億円)

国(埋立地)→沖縄県(175ヘクタール)→沖縄市(90ヘクタール)

「売れる土地だけ売る」(沖縄市長の答弁)という誤魔化し。沖縄県は沖縄市が「一括購入する」と答弁。 沖縄市民一人あて約20万円の負担(271億円÷12万市民=23万)

沖縄市の財政危機・・次年度から職員採用削減(新規採用はなし、退職の補充のみ)

「ノンタン工房」「クリントン広場」への無駄な出費。沖縄市の財政危機へ拍車。

9.埋立の前提としての「海草移植」は失敗

機械移植実験(01年10月〜02年2月)は失敗、現在新たな実験(減耗対策)を行っているがこれも現時点で「失敗」。約1ヘクタールの自然藻場が犠牲、消滅。

世界で大型機械移植が成功した例はない→海草の専門家の指摘。最近移植での保全は困難として、新たな提案「海草の生育に適した場の創造」。環境省の「藻場の回復に関する配慮事項」(04年3月発行)との矛盾。事業者は、海草の場の条件を捜す調査・実験をはじめる。

(04年8月11日海草藻類専門部会)

10.国の独自判断で行った深場への「手植え移植(02年12月〜03年1月)」も失敗

この「手植え移植」の実施の根拠になった「手植え移植実験(1998年〜)の成功」も国独自の判断(海草藻類専門部会、環境監視検討委員会の了解も得ていない)「成功」には疑問が多く、成功を証明できない。浅瀬、自然藻場周辺での実験 これらの影響で被度50%以上の面積が激減  01年56ha.→02年26ha.→03年10ha.

11.新しく発足した環境監視委員会で「希少種の保全策」でやり直し

国の報告(7月29日)、新たな報告10月16日 最終報告12月26日その後の環境監視委員会、保全創造委員会で報告  主な生息域は埋立地外予定地内は生き埋め、ニライカナイゴウナ、オサガニヤドリガイは移動する  了解が得られたと国は判断(委員数名が保全策は不十分と指摘)

 クビレミドロ  トカゲハゼ等との比較  移動は絶滅の恐れあり

 埋立地を含め周辺全体が貴重種の生育地→厳重に保護すべき地域

 沖縄県の自然環境保全指針 埋立予定地は評価ランク1(厳重に保護すべき地域)に指定 

12.埋立て反対を言わさせないための漁業補償

新港地区の約3.5倍(21億円)  実体の無い漁業にも補償 

新港地区12億円(395ヘクタール)  泡瀬地区21億円(175ヘクタール)

13.沖縄市の活性化につながるか?

 雇用保障→6000名の雇用?  土地利用の計画がゼロ  塩漬け土地  

雇用ゼロ 海洋都市構想→周辺マリーナは経営困難(佐敷マリーナは閉鎖)

 海洋都市の繁栄?→旧都心の一層の「シャッター通り」化

(天久新都心の発達→旧那覇市街の衰退 、北谷の振興→沖縄市の衰退)

14.環境保全を行ないエコツーリズムとしての活用  沖縄観光の新しい道

  沖縄の青い海と空、豊かな自然  海草とサンゴの群生地、渡り鳥の最大の飛来地、海草の宝庫、クビレミドロの生息地、ウミホタルの生息地、貝類の宝庫、自然学習の最適地、エコツーリズムの拠点、沖縄市観光の新しい目玉、海岸線・下水道を整備して自然保護を  泡瀬干潟をラムサール条約登録湿地に    中城湾を世界自然遺産に登録させよう  04年に工事近くに沖縄最大のカワツルモ群落を確認(環境学習の場として最適)

15.多くの団体の埋立中止要請

  ラムサール条約事務局 オーストラリア環境遺産大臣 日弁連 沖縄弁護士会 自然保護協会 WWFジャパン 日本野鳥の会 沖縄生物学会 日本クモ類学界 環境省 泡瀬干潟を守る連絡会をはじめ地元団体多数