2005年12月14日
沖縄県知事 稲嶺恵一 様
沖縄県文化環境部 部長 様
環境政策課 課長 様
泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表 内間秀太郎 小橋川共男 漆谷克秀
泡瀬干潟生物多様性研究会 代表 山下博由
浚渫予定地の絶滅危惧種の保全について
泡瀬干潟埋立事業の今年度の工事は、仮設航路(桟橋)周辺の浚渫、その土砂の現工事区域への投入がある。その区域には、今度改定された「レッドデータおきなわ」に記載されている「絶滅危惧種」が多数生息している。その詳細は別紙記者会見資料の通りである。
要点を示せば、浚渫場所に19種が生息している、トウカイタママキは国内最大規模の生息地、フジイロハマグリは日本でここでしか生息が確認されていない等である。
そのまま工事が行われれば、絶滅危惧種が「絶滅」になるおそれがある。私たちは、事業者にその保全のため工事を中断して調査することを要請してきた。また、私たちはアワセカニダマシマメアゲマキ(仮称)、ウミウチワ属の1種、ミル属の1種が泡瀬で確認されそれが新種の可能性があることから、その保全を求めてきた。しかし、事業者(総合事務局・県港湾課)は、絶滅危惧種が泡瀬海域に生息していることを県に報告しているが、浚渫予定地の詳細については明らかにしていない。また、報告した種についての保全策は全く示されていない。さらに、それを保全することなく、浚渫工事を続行するとしている。アワセカニダマシマメアゲマキ等は「調査の可能性等を含め検討」とあり、種の保全・自然環境の保全への配慮がまったく無い。以上述べた事業者の対応は、アセス書に示した対応にはなっていない。
私たちは、浚渫場所に生息する「絶滅危惧種」及び新たに発見された新種の可能性がある種を保全するために、沖縄県として実効性のある保全策を事業者に求めるよう要請する。
要請
沖縄県として、事業者に次のことを求めること。
1.事業者が県に報告した絶滅危惧種の貝類のなかで、浚渫場所の貝類のデータの公表を求め、その保全策を明示させること。
2.事業者報告の中で、「レッドデータブック記載種についての詳細な情報は、現段階では得られておらず、事業者としては慎重なモニタリングを行いながら工事を進めていく」としているが、私たちの調査で浚渫予定地に絶滅危惧種が多数生息していることから、直ちに事業を「中断し」、調査を行い、その保全策を示すように事業者に求めること。
3.アワセカニダマシマメアゲマキ(仮称)、ウミウチワ属の1種、ミル属の1種について、「希少性が位置づけられておらず、発見位置及び分布状況があきらかになっておりません」「調査の可能性等を含め検討する」としていますが、調査は、事業者の責務であり、貴重性の位置づけが終わってから保全を検討するのでは、種の保全になりません。
事業者として、それらの種を早急に調査し、その保全策を示すように求めること。
4.ジャングサマテガイについては、調査する、工事区域にはかかっていないとあるが、工事の進行等で受ける影響等も検討しなければならない。そして、調査を始めたばかりであり結果も明らかでないのに工事を続行することは、環境への配慮がない。事業者に慎重な対応を求めること。
5.絶滅危惧種や新種等の調査結果やその保全策については、環境監視委員会に報告しその保全について指導助言を受けること、また、その間工事を中断することを事業者に要請すること。
6.アセス書に示した対応を遵守することを事業者に求めること。
別紙記者会見文書
泡瀬の仮設航路浚渫予定地において「改定・レッドデータおきなわ」に記載された貝類32種(生息19種)を確認 表1貝類一覧表 表2 浚渫予定地での確認種数
参考1:アセス書での貴重種・絶滅危惧種が発見されたときの対応は下記です。
知事意見:工事中に貴重な動植物が確認された際は、関係機関に報告するとともに、適切な措置を講じること。
事業者見解:工事中に天然記念物指定種や「レッドデータブック」、「レッドリスト」等の掲載種、その他貴重種・重要種に相当する種で、環境影響評価書に記載されている動植物種以外の種の存在が埋立てに関する工事の施工区域内若しくはその近傍で確認された場合には、関係機関へ報告するとともに十分調整を図り、その保全に必要な措置を適切に講じます。
参考2:事業者の沖縄県への報告(別紙)