皆様
今月発行されたVenus(日本貝類学会誌)でユンタクシジミが新種記載されました.
 
Jorgen Lutzen & Takeharu Kosuge (2006) Description of the Bivalve Litigiella
pacifica n. sp. (Heterodonta: Galeommatoidea: Lasaeidae), Commensal with 
theSipunculan Sipunculus nudus from the Ryukyu Islands, Japan.
Venus, 63 (3): 193-202.
ユンタクシジミの分類は以下のようになります.
二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目ウロコガイ上科
科名:Lasaeidae(チリハギ科)
属名:Litigiella(和名なし,日本新記録属)
種学名:Litigiella pacifica Lutzen & Kosuge, 2006
種和名:ユンタクシジミ
 
模式産地:沖縄県石垣島名蔵湾
分布:沖縄島(沖縄市泡瀬干潟),石垣島名蔵湾
 
近縁種はヨーロッパ(大西洋)に分布し,やはりスジホシムシに共生するLitigiella
cuneoti (Lamy, 1908)で,pacificaという学名は太平洋の種ということを示しています.
 
和名については,山下ほか(2005)で提唱されたものを将来的な混乱を避けるため,この論文
で採用したとし,和文要約には「数名が集まっておしゃべりをするという意味の沖縄方言「ゆんたく」を用いた
ものである」と解説されています.
 
それで
*新種記載されたこと.
*現在知られている2ヶ所の生息地のうち,一つが泡瀬干潟であること.
が重要な点です.
 
この種の最初の発見者は,小菅さん・名和さんで,小菅・久保(2002)において種名
不明種として報告されています.
私は泡瀬の保全のために和名を付けて宣伝しただけです.新種記載されたことを,と
てもうれしく思います.
 
山下博由
貝類保全研究会・貝類多様性研究所
090-7167−3549
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
スジホシムシに細いヒモでくっついているユンタクシジミ(写真提供 山下博由氏)