沖縄県津波・高潮被害想定調査業務委託(沖縄本島沿岸域)

報告書(概要版) 平成193月 沖縄県土木建築部 海岸防災課

 

前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)の分析と将来予測・・・津波の被害について

 

1.「報告書」はHPにアップされている「概要版」に「資料集」(計算方法、過去の事例の報告書、詳しい図版など)が入っているものでした。沖縄県防災課の職員の話では、資料集はなくても「概要版」だけで十分といっていましたが、用心のため、情報公開で請求しておきました。2週間後に入手できますが、膨大な資料(図版、カラー、概要版のおよそ3倍の厚さ)のため、1万円くらいかかりそうです。

2.図版の中の「沖縄市の津波浸水予測図」はコピーでもらってきました。添付の津波予測図1.右左、津波予測図2.右左です。(下記資料津波予想図)

3.この図によると現在の沖縄市(泡瀬)の予測は以下です。

(1)想定される地震は3つ。A本島南東沖地震(DO1W) D久米島南東沖地震CO2W  B本島南西沖地震(H9RF)   図版の赤い楕円@〜Dで示される

(2)マグニチュードはいずれもM7.8(概要版の地震予測データ)

(3)泡瀬での津波最大遡上高の基準面は、(海抜)標高ELからの高さ(標高)

(4)最高は、A久米島南東沖地震の時、2.5 → CDLで表すと(122.1+250=CDL371.1m   前にメールで流した「潮位図」 再度掲載、下記

  (5)県埋立地はCDL400cmだから、現在の基準で見ると、浸水域ではない。国埋立地はCDL630cmだから浸水域ではない。

4.津波の高さは国土交通省の資料によれば、平常潮位(津波がない場合の潮位)からの高さであるが、満潮時に襲来すれば、

当然、朔望平均満潮位・泡瀬では、CDL217.4cm、からの高さになる。

泡瀬では、67mの津波が想定される(琉大・中村衛)ことから、CDL817.4917.4cm以下は浸水域になると想定される。

海抜標高(CDL122.1cm)を基準にしても、CDL722.1822.1cmの津波が想定される。(国土交通省資料、津波の高さ)

5.琉大・中村衛氏の予測(沖縄近海で、M8.5、泡瀬津波67mを予測、沖縄市での講演会の資料:HPに掲載してある)からすると、泡瀬埋立地(県・国埋立地)は水没する。

6.埋立地の中で対応しなければならない(埋立地周辺も水没。アクセス道路は津波避難では使えない、危険:沖縄県・沖縄市答弁)が、埋立地には津波から逃れる場所はない。

  (1)高台は計画されていないし、造れない。  

(2)避難ビルは計画されていないし、造れない。  

(3)5階建てホテル・4階建コンドミニアムが計画されているが、立地するかどうか分からない。仮に立地しても5階建て(現在の沖縄市の津波防災基準は5階建て以上の建物の屋上)は5階建てホテル1棟で屋上面積は約1万平方メートル。整然と避難できたとしても約1万人しか避難できない(津波は20分で襲来するといわれ、階段しか使えないこと、殺到すること等から、パニックで1万人は避難できない、おそらく3分の1の3,000人程度か?)

  上記(3)は訂正。5階建てのホテルだけでは、屋上の面積は、6,480uにしかなりません。避難できる人も、3分の12,000名程度と思われる。

 

私が、県に対して情報公開請求したことへの県の回答に対する、見解です。

 

 津波の避難のためのホテル・コンドミニアムの屋上の面積19千平方メートルの根拠を示せとの要請の回答で、「ホテル・コンドミニアム」の設計概要が示されていますが、19千平方メートルの根拠にはなりません。

   ホテルの建築面積=32,4005階×319,400uとありますが、これは、説明にあるように、ロビーホール等の諸施設考慮率3(基準

階の3倍)を確保することとしたための建築面積であり、屋上の面積は、32,4005=6,480uです。

コンドミニアムも、建築面積=12,7504階×26,375uとありますが、これもロビーホール等の諸施設考慮率2(基準階の2倍)

としたための建築面積であり、屋上の面積は、12,7504階=3,188uです。

ホテル(5)、コンドミニアム(4)の屋上の面積合計は、6,480u+3,188u=9,668uにしかなりません。

「沖縄県公共事業評価監視委員会」で県は、嘘の説明を行い、委員の皆様は、騙されたことになります。これは、大変なこと 

 

 

(4)埋立地には、26,005/日の交通発生量(延べ発生量、個別では商業施設用地10,603台、国申請書、166ページ)があることから、1.5/台としても、15,90439,007人が予想されることから、大多数の人が溺れることになる。

   26,005/日は延べであるから、仮に日中8時間で平均しても3,250/時間になり、1台平均1.5人とすると、1時間単位で約5,000人の人が泡瀬埋立地に居ることになる。

 

(5)沖縄市12月議会で、「現在の基準で、泡瀬に津波が襲来したら、泡瀬干潟埋立地にできる建物で何名が避難できるのか」の質問に対して、沖縄市は答弁できなかった。

沖縄県津波・高潮被害想定調査業務委託(沖縄本島沿岸域)報告書より 津波被害想定図1.左↓

沖縄県津波・高潮被害想定調査業務委託(沖縄本島沿岸域)報告書より 津波被害想定図1.右↓

 

沖縄県津波・高潮被害想定調査業務委託(沖縄本島沿岸域)報告書より 津波被害想定図2.左↓

 

 

沖縄県津波・高潮被害想定調査業務委託(沖縄本島沿岸域)報告書より 津波被害想定図2.右↓

国土交通省白書  平成22年(国土交通省のHPより)

 

潮位図 国(沖縄総合事務局資料)