泡瀬埋め立て土砂流出(沖縄タイムス)
護岸300m侵食(琉球新報)
台風9号が8月4日〜5日、沖縄本島を暴風雨圏内に、本島の南東側から久米島方向を通過し、その後北西側に去っていきました。この台風は、大型台風であり、約2日も沖縄本島を暴風雨圏内に巻き込み、豪雨を伴いましたが、風速は30m程度、最大瞬間風速は45m程度と、強烈な台風ではありませんでした。
しかし、この台風で泡瀬埋立地は被害が目立ちました。概要は新聞報道にありますが、私たちが「現地周辺」を調査(8月10日)した結果は、次の通りです。
1.
事業者は、「土砂のほとんどが埋め立て区域内に流出しているので、大きな影響はない」(新聞報道)といっているが、北側の「仮設道路」の場所では、幅が25m、高さが1mほど「決壊」し、外海にも大量の土砂が流れ出している。流れ出した周辺海域は濁りがあり、周辺環境への影響は大きいと思われる。
2.
人工海浜の護岸(沖側護岸)も、護岸の大きな石、約20uが、5〜6mも吹き飛ばされ、護岸が一部「決壊」している。
3.
仮の護岸の場所(人工海浜突堤や、県埋め立て予定地周辺)では、護岸を保護するための「網に入った石」が、一部網が破れ飛び散っていた。
4.
護岸は、海面高4.5mとあるが、今度の台風ではそれを越える高波が埋立地を襲ったことが分かる。
5.
泡瀬埋立地が「この程度の台風」でも被害を受けることが明かになり、風速50m、最大瞬間風速60mの台風が襲来することもある沖縄では、埋立地が非常に危険な場所であることも明かになった。
以上概略を示したが、詳細(写真)などは、後日設定予定の「記者会見」で明かにします。
なお、参考に、台風前2011年8月2日撮影の「泡瀬埋立地」の航空写真(撮影:泡瀬干潟を守る連絡会)を紹介します。新聞の記事の参考にして下さい。また、「泡瀬埋立地」と「うるま市新港地区」の位置関係を示す航空写真(撮影:泡瀬干潟を守る連絡会、2011年8月2日)も掲載します。併せてご利用下さい。
左上が「泡瀬埋立地」、右が「うるま市新港地区」です。右奥に見える「薄い青の屋根」は県レンタル工場です。その左にある「広大なグリーン」が塩漬け状態の「FTZ分譲用地」です。この分譲用地のすぐ上にある、コの字の部分が「新港地区東埠頭」で、この泊地と航路の「浚渫土砂処分場(産業廃棄物処理場)」として泡瀬干潟・浅海域が埋められます。