1027日のNGO世界会議で採択された宣言の日本語訳(暫定板:翻訳は、和白干潟を守る会事務局。正式な訳は、後日ラムネットから報告される)

Suncheon NGO Declaration

27 October 2008

Suncheon City, Republic of Korea

 

スンチョンNGO宣言

2008年10月27日

スンチョン, 韓国

 

 

1) 私たち、世界湿地NGO会議のメンバーは、第10回ラムサール条約締結国会議に向け宣言する機会が得られたことを大変光栄に思います。

 

2)会議は参加型主義を認識し、2008年度世界NGO湿地会議は、6大陸の31カ国から400人以上の湿地の保護と復元に尽力しているNGOや原住民の人々、また地域社会や行政の人たちが参加する会議となりました。

会議は2008年10月25日から27日まで韓国キョンサンナム-(Gyeongsang-nam-do Province)のチャンニョン郡(Changnyeong County)とチュルラナム-(Jeolla-nam-do)のスンチョン(Suncheon City)で開かれました。

私たち、世界NGO湿地会議の参加者は皆、このNGO会議に寛大に施設を提供し、支援してくださったスンチョンとチャンニョン郡の政府機関へ感謝しています。{しゅぎ}

 

3) COP9 (2005) の閉会式でされたNGOの積極的な参加のための提案を考慮し、韓国NGOネットワークは湿地の保護と復元における課題を議論し、またそのためのNGOの役割と責任の確認をするよう、世界NGO湿地会議を促進しました。

プレゼンテーションは湿地のコミュニケーション、教育、参加、認識 (CEPA)

水田の生物学的多様性、湿地の賢明な活用方法と不賢明な活用方法、ラムサール会議実施の評価などを重点的に取り組みました。

広範{こうはん}にわたる議論{ぎろん}スンチョンNGO宣言の作成へとつながりました。

 

4) 会議の実施課程においての関係者の効果的なネットワーク作りの必要性に注目し、「世界湿地ネットワーク(World Wetland Network) は情報交換、そして湿地の計画、監視、管理に関しての「最優良事例」の伝達を促進・強化するために、また,関係者の間で共通{きょうつう}のビジョンを描くために形作られました。

 

5) 決議草案X.1(ラムサール長期{せんりゃく てき}計画 2009-2014)関して:

私たちはラムサール条約締結国会議に会議実施にあたり、以下の重要事項を各締盟国{ていめい こく}強調するよう、強く要求します。

開発計画を実施する機関、及び会議の担当機関は、会議の決議において包括的{ほうかつてき}な協議{きょうぎ}課程を維持するべきである。

締盟国{ていめい こく}は、行政機関・地域行政・専門家・NGOから成る国家湿地委員会を編成し、湿地の賢明な活用方法のための方策を立てるべきである。

締盟国{ていめい こく}及び国際機関パートナーは、NGOまた地域や先住民の人々とより一層協力していくべきである。

地域の関係者にかかわる包括的管理委員会は各ラムサール条約湿地に設置されるべきである。

 

6) 決議草案X.8 (コミュニケーション、教育、参加、認識 (CEPA) に関する会議計画2009-2014)関して:

私たちはCEPA活動である「参加」の重要性に注目したこの決議草案を支持します。

しかし、CEPAの焦点、特にNGOの焦点を未だに指定していない締盟国は多数であります。

私たちはNGOCEPA計画に容易{ようい}に参加できるよう、締盟国に早急にこれらの焦点を定めることを強く要請します。

私たちは必要な所では財政的に締盟国によってNGOの参加円滑化を構想{こうそう}しています。

 

 

7) 決議草案X.13(国際的に重要な湿地のラムサールリストの湿地の現状) に関して:

ラムサール会議は国際的に重要な登録湿地と同様に全ての湿地の保護と賢明な活用を目標にしています。

私たちは登録湿地を優先させ、明確{めいかく}に規定{きてい}された時間表に従ってそれらを指定していくため、締盟国に国にある条約湿地として登録されうるラムサール基準に当てはまる全ての湿地を確認することを強く要請します。各国、ラムサール条約湿地としてその管轄下{かんかつ か}にある湿地生息地の各タイプの最善の例を指定することを目標とするべきであります。

 

8) 私たちはCOPにセマングム開拓プロジェクトについてのCOP9 (2005) の決議案IX.15によって表明された深い懸念を尊重することを、そしてラムサール条約湿地として資格のある湿地でしかし国家行政が未だに取り組んでいない湿地を守り復元するために新しい決議案を導入することを強く要請します。

セマングム開拓プロジェクトと最近採択された沿岸地域開発法は破壊的開発事業と湿地の文化面そして環境保護面を重んじる人々、特に湿地に頼って生活している人々の声を無視した政策の兆候である。

 

9) 私たちは健康的な生態系と人類の健康には重要な関係があることを認識し、決議草案x.23「湿地と人間の健康と幸福」そしてCOP10のテーマ「健康的な湿地と健康的な人間」を支持します。

 

10) 決議草案X.28「湿地と貧困削減」に関して、

私たちはたくさんの人々が仕事、生活手段、文化の多様性、伝統的な暮らしを失い、貧困の中暮らすことを強いられていることを非常に心配してます。

私たちは持続不可能で破壊的な開発をやめ、湿地を貧困削減のために賢く活用すべきです。国家政策は地域の食糧生産、エコツーリズム、レクリエーション活動や他の生態系サービスを通して貧困削減に不可欠な湿地の賢明な活用法を推進するべきです。        

 

11) 決議草案X.31「湿地系水田の生物学的多様性を高める」:

私たちは特に以下の3つの点においてこの決議草案X.31を支持します。

環境に優しい水田農業は水鳥を含む生物学的多様性を支え、生命維持{せいめい いじ}に必要{ひつよう}な湿地生息地を供給します。

それは2010年に日本で開かれる生物学的多様性会議COP10が近づくなか、水田の生物学的多様性にとっての重要性ついての認識を高めます。

最後に、私たちはこのNGO主導の決議草案X.31に関する議案に対して理解力のある日本そして韓国の政府に拍手を送ります。

私たちは都市化や乾燥農業よりも環境に優しい水田農業を支持しますが、水田を自然の湿地に置き換えるべきではありません。

 

12) 前回COP決議草案COP7(1999) で採択されたマングローブに関する決議草案VII.21が実現されていないという事実を認識し、世界NGO会議の参加者はこれらの課題を討議するために非公式に会合しました。

私たちはこれらの決議草案、特に沿岸地域の湿地に害を及ぼす持続不可能な水産養殖業の拡大と新しい施設の創設、推進を停止するよう政府に要求した決議草案VII.21を実行することを政府に強く要請します。

 

13) 決議草案.25 (湿地とバイオ{せいぶつ}燃料) に関して、

私たちは湿地と湿地に優しい農作業さらにそれに頼っている地域社会への直接的脅威であるバイオ{せいぶつ}燃料農作物の需要が高まっていることへの深い懸念を表明します。

更に、バイオ{せいぶつ}燃料農作物は国の食糧安全保障{しょくりょう あんぜん ほしょう}および生物学的多様性を危険にさらすべきではありません。

 

14) 私たちは締盟国に過去の開発もしくは自然によって被害を受けた湿地を復元するよう促すため「国際湿地復元賞」を設立することを提案します。

この賞は行政、NGO、受賞国の人々の努力を認識し、最良かつ前向きな実践を他の国々が将来実践できるよう普及させることでしょう。

復元の努力はこれ以上の周囲の環境を破壊することなく、地球に優しくかつ道徳的マナーで行なわれるべきです。

 

15) 最後に私たちNGO、地域そして原住民の人々は会議事務局、国家行政及びIOPsと協力し、この会議が成し遂げたことを普及し、湿地の賢明な活用を推進し地域の湿地での事業を実行できるよう努力を続けることを誓います。

さらに、私たちは地域の慣習を尊重しながら湿地の持続可能性を保護するため、CEPA課程を通して地域社会の伝統的かつ先住民族{せんじゅう みんぞく}の知識を普及します。

 

Adopted and signed

This day 27 October 2008.

In Suncheon, Republic of Korea

Annex: List of concerned wetlands (to be distributed later)