「琉球新報」(09723日)に次の記事が掲載されていました。そして、この記事と、記事の中にある17日の土地利用計画検討調査委員会の審議内容は、控訴審の証拠資料としても提出されています。

皆さんは、これを見てどう思いますか。

@    沖縄市は、見直しのため頑張っている。沖縄市の「土地利用計画見直し案」が出来つつあるから、埋め立ての経済的合理性は証明できた」、と思いますか。

A    それとも、「前の計画は白紙に戻り、今見直しをしているが、案が出来るのは、来年のこと、その後この案が実現可能性があるかどうか検討され、確定するのはその後。さらに、法的な手続きも必要。現時点で経済的合理性は示せない」、と思いますか。

 

私(前川盛治・泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)は、Aの意見です。以下、その理由を述べます。

 

那覇地裁で敗訴した後、大慌てで進められた沖縄市の「土地利用計画の見直し」は「市民部会」と「計画検討調査委員会(専門委員会)の両方で進められ、市民部会は6月に「中間案」を発表し、それを参考に専門委員会で検討が行われ、新聞報道にあるとおり「2案」に絞り込まれたようです。市民部会で出た「カジノ構想」は今回の専門委員会では、具体化されていないが、市民部会は11月には最終案をまとめるので、そこで再び「カジノ構想」が出る可能性もある。

ところで、沖縄市の「土地利用計画の見直し」は、致命的な誤りがある。

1.            当初計画(187a)のゾーニング(沖縄県・沖縄市の処分区分図)は白紙に戻され、今、新たなゾーニング案が検討されているが、まだ確定していない。

2.            ゾーニング案も確定しないのに、上記の2案は、沖縄県・沖縄市のどこが責任を持つのかもまったく不明です。

3.            ゾーニング案を見ると、12年当時破綻していた構想(ホテル・コンドミニアム・コテージ)にまたもしがみついている。

4.            ホテル構想は縮小されているのに、客船埠頭・マリーナ(小型船だまり)構想はそのままである。

5.            トカゲハゼ、クビレミドロの人工干潟・野鳥公園・自然博物館等は、どこに行ってしまったんだろうか?

6.            この2案(国際交流リゾート拠点・スポーツコンベンション拠点)はいずれも公共施設の可能性が大であり、多額の税金(公金)が投入されなければ実現不可能である。予算・資金は沖縄県・沖縄市のどこがだすのかも分からない。まさか、国ではないでしょう。

(埋立の目的は、@国は東埠頭の浚渫土砂処分場造成、Aその埋立地を買って沖縄県・沖縄市がリゾート地にする。まさか埋立地を国が造成し、そこがそのまま国有地になり、そこに2案が実現することはないでしょう。もしそうなら、根本から間違っています。)

7.            「埋立地は民間にすべて売却する(沖縄市控訴理由書)」といっていたのに、舌の根も乾かないうちに「公金支出」である。沖縄市の控訴理由書は、早くも破綻している。 

8.            次回の専門委員会は「12月」である。市民部会も「6月」に中間案を発表したが、最終案は「11月」である。控訴審が結審する「723日」までに、早めに案を作成するのが目的であり、「本当の見直し」ではなく、控訴審対策である。

9.            さらに、二つの案はいずれも「1区」を想定し、「2区」はアクセスの橋のみを想定している。

控訴理由書では「12年当時の案はまだ有効であり、1区・2区を含めて土地利用計画を見直している」といいながら、実際は「1区」の見直し案である。そしてその橋はすでに破綻した構想(12年当時の構想)で予定していた2本の橋を前提にしている。187aの埋立を想定していたときの2本の橋は、規模が半分(1区・96a)になってもそのまま2本の橋が建設されるのでしょうか。前は約250mの橋でしたが、1区のみでは、約500m(仮設橋梁の場所では、約800m)の橋が必要である。予算も2倍以上になると思われる。国は、それも了解しているのだろうか?

10.    この2案が中心になって、沖縄市の土地利用計画案が来年2月ごろに確定しても、それは案であり、その後、沖縄県・国との調整が必要である。さらに、企業動向調査、経済波及効果調査も必要であり、その上公有水面埋立法・港湾法・都市計画法などの手続きも必要である。那覇地裁判決で示された「現時点で経済的合理性がない」を覆す新たな証拠にはなりえないのは、明らかである。

 

沖縄市2案の1つのゾーニング案を、次に参考に示します。次の4点に注目してみてください。

@ 1区のみを想定し、2区はアクセスの橋だけを想定している

A 沖縄市ITワークプラザ辺りからのアクセスの橋は前の案の2倍以上の規模になる。

B     現在の仮設橋梁も将来は橋になるが、この橋も当初の2倍以上(3倍?)の橋になる。

C     当初計画の187aの約半分96aの人工島のために、当初計画の予算を大きく上回る莫大な公金が支出される。

D     委員の意見として、「ホテルは・・北側に立地させたほうがいい・・・」もあったそうです。