泡瀬干潟でヒメマツミドリイシが一斉産卵 泡瀬干潟で初めての確認

泡瀬干潟、西防波堤北西で、6月8日(金)夜1015分〜30分の間、ヒメマツミドリイシの一斉産卵があった。沖縄市の市街地から僅か2kmの場所である。泡瀬干潟を守る連絡会(小橋川共男、漆谷克秀共同代表)と沖縄リーフチェック研究会(安部真理子会長)のメンバー9名が確認した。同会は、528日からサンゴ産卵の調査を行っていた。この場所は、ヒメマツミドリイシ(枝サンゴ)と海草(リュウキュウスガモ)が群生しているところで、生息面積は約29,000uあり、2年前からサンゴ産卵のチェックを行っていたところ、今度産卵を確認することが出来た。この産卵によって、中城湾海域のヒメマツミドリイシの卵の供給場所が、この場所であることが明らかになった。

 産卵は、サンゴコローニーのパンドレからはじき出されるように起こり、卵は海中・海面をゆっくりと漂い流れていった。神秘的な現象に、参加者(9名)は大きな感動をおぼえた。

 ところで、この場所は、今、泡瀬干潟埋立工事が進んでいる場所と新港地区・泡瀬漁港先の航路を結ぶ新たな航路として浚渫される予定になっている。また、新港地区の泊地・航路の浚渫土砂をポンプで吸い上げ、海底に沈設したパイプで輸送する場所にもなっている。このような工事や浚渫が行われたら、ヒメマツミドリイシの群落を死滅に追いやる。

 事業者は、アセス書ではこの海域のサンゴは被度10%未満として、保全の対象にしていなかった。しかし、泡瀬干潟を守る連絡会がヒメマツミドリイシの群生地であることを指摘したところ、調査をはじめ、事業者もヒメマツミドリイシの群生地であることを認め、平成19年度から新たな調査地点として設定し調査しているところである。

 同海域が極めて貴重な場所・サンゴの卵の供給場所であることが明らかになった今、泡瀬干潟埋立工事や航路浚渫計画は直ちに中止すべきである。都市近郊にあるこの場所を保全し、沖縄観光の目玉、貴重なサンゴ群落を生かし、泡瀬干潟をエコツーリズムの拠点として活用することが強く望まれる。

報告:前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会事務局長)090-5476-6628

サンゴ産卵観察参加者(528日〜68日)

泡瀬干潟を守る連絡会

沖縄リーフチェック研究会

小橋川共男 3〜7

安部真理子 288

前川盛治 288

牧志治 288

譜久里茂 3〜7

棚原盛秀 28〜7

屋良朝敏 3〜7

荒田茂 288

桑江直哉 3〜7

前島綾子 6〜8

 

鋒山 謙一 8

板山康成(取材参加、読売新聞西部本社)48

西原千尋 6〜8

中島記者(取材参加、読売新聞西部本社)4〜7

井口亮(ジェームズ・クック大学大学院)28〜6

 

 

今度サンゴ産卵のあったヒメマツミドリイシ群落、赤い楕円形が群落地(約3万u)

黄色の線は航路予定地、左上の赤い楕円は埋立海上工事現場

以下は68日参加者が撮影した写真(各1人、各1枚)

前川盛治、産卵と撮影風景

西原千尋、卵が漂う風景

鋒山謙一、産卵状況

牧志治、琉球新報に使われた写真

安部真理子、タイムスに使われた写真

荒田茂、この画像はビデオ撮影したものをDVDにし、それから写真にしたものです

DVD画像は連絡会にあります。

 

琉球新報、07610日↑

7610日、沖縄タイムス