沖縄タイムス論壇、中地名常(泡瀬復興期成会元事務局長)
論議を深め、問題点を明らかにするために、掲載しました。
問題点(前川盛治・泡瀬干潟を守る連絡会事務局長)の指摘
1. 過去の経過について述べているが、沖縄市議会で何故全会一致が崩れてきたのかの経過が示されていない。そして。今問題になっていること、例えば、干潟の価値、新たな米軍基地建設(多目的広場)、土地利用計画が実現不可能なこと、市民に押し付けられる負担、市民世論、東門市長の誕生の意味、検討会議の設置、等については、何も触れていない。
2. 干潟の面積82%が残ることと、干潟の機能が残ること・自然が残ることを間違って理解している。干潟は、それに続く浅海域(海草藻場、さんご礁)と一体となって浄化機能が働く。出島方式で自然環境が守れないのは、うるま市の新港地区、福岡の和白干潟での出島方式の埋立で証明されている。また、干潟とそれに続く浅海域が187ha埋められることへの問題意識は何もない。埋立てられる干潟を含めた浅海域187haがまさに,世界に誇る貴重な場所なのである。埋められる干潟(18%)だけを問題にしているのではない。
「泡瀬干潟を守る連絡会」は「干潟を守る」ことだけを主張しているのではない。干潟を含む豊かな泡瀬海域(海草藻場・さんご礁)
を沖縄市・県の宝として子々孫々まで残そうと主張しているのである。
3. 泡瀬一帯は埋立の歴史である。埋立で泡瀬の自然が失われてきた。昔の泡瀬は「豊饒であった、タイワンガサミも取れた、ボラの稚魚も群れをなしてきた」、今の干潟は「昔と比べて枯れてしまっている」といいながら、埋立後「残る干潟をどのように再生させていくかが課題である」と述べ、埋立後のアフターケアだけを強調していることは、埋立による自然破壊や、新種・貴重種が発見され、世界に誇る泡瀬干潟埋立問題に眼をつぶることになり、泡瀬干潟・海域を守る立場ではない。「埋立で自然を再生させる」、「埋立後もそれなりの自然がのこる、それを守ろう、新たな自然を再生させよう」という考え方は、埋立による自然破壊をごまかすための間違った論理でしかない。「破壊された豊かな自然は元に戻らない」のである。生埋めにされた新種・海草・貴重種・サンゴは元に戻らないのである。
4. 沖縄市の検討会議の報告では「推進派も反対派も自然を大切にしたい、干潟を残したいという共通の考え方がある」としているが、もしそれが本当であるならば、「埋立によって、本当に今の泡瀬干潟・海域の豊かな自然が守れるのか」を徹底的に論議してみたい。
