2009年9月11日
民主党沖縄県連代表 喜納昌吉 様
泡瀬干潟を守る連絡会 共同代表 小橋川共男 漆谷克秀
連絡先 090-5476-6628（前川盛治・事務局長）、住所：
泡瀬干潟埋立中止に向けての取り組み（要請）
貴職におかれましては、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。また、今回の衆議院選挙での大躍進、おめでとうございます。永く続いた自民党･公明党の国民無視の悪政に終止符が打たれ、民主党中心の政権誕生で、国民主体の政治が行われることを期待し、また、泡瀬干潟を守る運動等無駄な大型公共工事の見直し、環境問題での前進も期待しております。
Ⅰ．さて、私たちは、昨年（2008年12月3日）にも、泡瀬干潟埋立中止の取組を貴党に要請いたしました。要請内容は、下記でした。
○民主党本部の「沖縄ビジョン（2008年）」に基づき、「泡瀬埋立の中止を含め工事の見直し」の方針を民主党県連として堅持して同問題を取り組むこと。また、公認、推薦の議員にも民主党県連の方針を徹底させること。
○今後の（沖縄県）議会内外の取り組み、とりわけ2月予算議会においては、全野党と共同歩調をとり、泡瀬干潟埋立中断・中止の取り組みを強化すること。
これに対し、要請の趣旨を理解し取り組むことを確認しております。
Ⅱ．今回の衆議院選挙においても、私たちのアンケートを含め、様々なアンケートが実施され、民主党公認の候補者や民主党本部からも誠意ある回答がありました。要約すると次の通りです。
（１）当会の8月1日実施のアンケート、泡瀬干潟埋立に関する基本政策（1期2期推進、1期推進2期中止、1期中断2期中止、1期2期中止）からの選択に対する回答
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民主党本部 |
玉城ﾃﾞﾆｰ |
瑞慶覧長敏 |
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回答 |
1期中断2期中止 |
1期推進2期中止 |
1期2期中止 |
民主党本部からの回答は「環境大臣への要請書、2009年2月8日」から記入した。
（２）民主党の沖縄ﾋﾞｼﾞｮﾝと玉城デニー氏の政策の違いについての有志からの公開質問状（8月16日）に対する回答
○民主党本部の回答（要旨、詳細は別紙） ※全候補者が共有し政権をとれば実現するべき政策は「民主党の政権公約マニフェスト」ですが、泡瀬干潟問題はマニフェストに盛り込んでいない。※民主党政策集INDEX2009や沖縄ビジョン2008のような個別政策もあるが、それらは次期政権期間中で実施する政策とは位置づけていません。※民主党沖縄ビジョンには「1期中断2期中止」の方針を明記していることは事実。※玉城氏は民主党の姿勢については十分理解し支持している、但し単なる中断中止ではなく、将来ビジョンを明らかにすることが前提、と言っている。※党内で問題意識を共有する機会を増やすことが必要。県連関係者と話し合う、県連と党本部で意見交換をする、党の政策の基本を重んじつつ対応する。
○玉城デニー氏からの回答は、確認していないとのことです。
Ⅲ．以上の経過、アンケートの結果をみると、泡瀬干潟埋立問題は、民主党政権の今後の大きな検討課題になっている。群馬県の八ﾂ場ダム建設は、中止の方向で取り組まれ、工事入札中止など大きく前進しているが、泡瀬埋立問題は、「中止」の方向性が現時点ではっきりしていない。そのためか、事業者の沖縄総合事務局は、09年度の浚渫・土砂投入事業の入札を9月8日付けで公告している。「場合によっては（入札を）とりやめることもある」との但し書きつきとはいえ、次期民主党中心の政権の泡瀬埋め立て事業に対する「中止」の方向性がはっきりしていないことが、沖縄総合事務局の入札公告実施を許している。
ところで、民主党は、沖縄ビジョンで 「（泡瀬）埋立事業中止」を含めて【一期中断、二期中止】など見直す」ことを明らかにしており、また今度の選挙の「民主党政策集INDEX2009 環境」でも「泡瀬干潟の干拓事業など環境負荷の大きい公共事業は、再評価による見直しや中止を徹底させます。」としている。これらは、個別政策として有権者に示してきたものであり、マニフェスト（政権公約）に記載されていないから、実現すべきものではないと言うことは出来ないと思われる。先の民主党本部の回答でも「党内で問題意識を共有する機会を増やすことが必要である。県連関係者と話し合う、県連と党本部で意見交換をする、党の政策の基本を重んじつつ対応する。」とあるように、今後の検討・対策が重要であることは言うまでもない。
また、今後の対応を検討する際、10月15日の控訴審判決も考慮しなければならないことも明らかである。10月15日の控訴審判決で「１審の判決支持・控訴棄却」が言い渡されたとき、「泡瀬埋立事業中止」を民主党政権で決定することは、当然のことと思われる。
Ⅳ．以上のことをふまえ、以下の要請を行います。
１．マニフェストに「税金の無駄遣いを根絶する」「国の総予算207兆円を全面組み替え」を掲げて新しい民主党中心の政権が出来ることをふまえ、これまでの自民党・公明党の無駄な公共事業・環境破壊政策を抜本的に見直し、国民・県民の期待に沿う環境政策を実現すること。
２． 民主党本部の「沖縄ビジョン（2008年）」、及び今回衆議院選挙の「民主党政策集INDEX2009 環境」に基づき、「泡瀬埋立の中止を含め工事の見直し」の方針を、国会議員3名を含め民主党県連として堅持して同問題を取り組むこと。
３． 「泡瀬埋立の中止を含め工事の見直し」の方針をもとに、民主党本部との政策調整、政策実現に臨むこと。
４． 09年度泡瀬埋立事業・浚渫土砂投入事業の入札公告を「撤回」するよう、民主党本部を通して、内閣府・沖縄総合事務局に申し入れること。
５． 10月15日の控訴審判決を踏まえ、県議会での野党共闘を強化し、泡瀬埋立事業中止の実現に尽力すること。また、「泡瀬埋立事業中止」を民主党政権で決定するように尽力すること。
以上
民主党県連、喜納代表の回答（要旨、前川盛治メモ）
１． 要請の5項目については、その趣旨の通り取組む。
２． 県連の方針は、民主党沖縄ビジョンや民主党政策集インデックス２００９に示すとおりである。
３． この方針で、民主党本部との政策調整、政策実現に臨む
４． 玉城議員へも県連の方針を示し、本部への要請で、違いがないようにする。
５． 民主党政権で環境問題が大きく前進するものと期待している。
なお、要請には民主党県連側から喜納昌吉代表（参議院議員）、瑞慶覧長敏副代表（衆議院議員）、新垣安弘幹事長（県議）、上里直司政策調査会長（県議）、高江洲環境問題対策責任者が参加した。喜納代表が全体的に回答したが、瑞慶覧副代表、新垣幹事長、上里政策調査会長も発言し、上記の喜納代表の回答と同趣旨の発言をした。玉城デニー副代表（衆議院議員）は、県連として参加を打診したが、都合で参加出来ないとのことでした。
要請のことを地元の新聞（琉球新報）は下記のように報道しています。
琉球新報（09年9月12日）
