沖縄県が08年11月19日の泡瀬地裁判決に対して控訴しようとしていることの
経過報告及び問題点と成果
前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)
T.経過(概略)
1.
地裁判決11月19日、「県知事は今後公金を支出するな」
2.
知事、控訴を表明(20日)
3.
議会議事運営委員(20日)、議会で承認の手続きをする、と説明
野党、議会で承認しない方向で動き出す。
4.
県、総務省に問い合わせ(25日)(議会の承認を得る必要がない、を確認)
これは、25,26日時点では伏せられていた。マスコミ・県議も知らない。
5.
県、原告の県議の除斥を検討(24日夜情報、25日の新聞報道)
25日〜26日、県議会各派、議会対策、除斥問題の対応
※連絡会、25日、県議全員に議会で控訴しないことを決めるよう要請(クリック)
※連絡会、25日、県議会議長に、「控訴しないよう」陳情書提出(クリック)
※日本自然保護協会、JAWAN、泡瀬干潟を守る連絡会、沖縄野鳥の会、記者会見控訴経過資料 (クリック)
沖縄県、
※沖縄県議会各会派、社民・護憲ネットワーク、社大・結の会、日本共産党、民主党、無所属クラブ、控訴断念を表明
6. 26日、知事、議会の議決不要を決定したことがマスコミから流れる。27日の新聞朝刊で報道される。
6.
27日、12月議会、議案説明会
除斥問題は消え、議会で承認不要であると説明(資料1、資料2)控訴経過資料 (クリック)
野党、議会無視と反発、与党代表者会議で県に抗議すること、28日の本会議前に全野党議員を集め確認
し行動することを決定
※
連絡会、27日、早朝から議員への要請
※
連絡会は、27日午後4時、県庁記者クラブで記者会見し「県の議会軽視」に抗議した。
7.
28日午前9時半、県議会本会議前に野党全員が集まり、対応を確認。 議会開会、冒頭休憩が求められ、
野党代表新里米吉議員が退場の理由を読み上げ(資料3)控訴経過資料 (クリック)、野党議員26名退場。議会定足数不足で休会。
8.
議会空転が続く。その間、議長・副議長・与野党の議会再開に向けての調整が続く(調停案のキャッチボール)。
9.
午後7時10分、議会再開。07年度決算の議事のあと、議案説明の冒頭、8時7分頃に、知事が泡瀬裁判の
経過説明の文(資料4)控訴経過資料 (クリック)を読み上げる。
※連絡会、早朝から議員への要請、傍聴行動(〜夜8時半まで)
U.問題点
1.
控訴する方法には、自治法96条@12項の「議会の承認を得る」方法と、最高裁判例に示される「議会で承認不要」の
二つの方法があったが、沖縄県は当初25日までは、議会承認の手続きを進めていたが、急遽、議会軽視の「議会で承認不要」
の方法をとった。
2.
沖縄県は、当初は議会承認の手続きをすすめるとし、自治法117条を拡大解釈し、原告4名の県議を除斥しようと動いた。
除斥が、法的に、また議会が野党多数であるため困難と判断し、総務省に問い合わせ(お願いして?)をして、議会承認不要
のアドバイスを得ている。
3.
県のこのような態度は、議会無視、民主主義を軽視するものである。控訴する場合、控訴費用は公金支出であり、控訴期間中の
工事費用は公金支出であることから、控訴の手続きは、議会の承認を得ることが、よりベターな方法であることは自明である。
4.
沖縄県総務部が、
違法なことをしている」などと発言していることは、糾弾しなければならない。
V.成果
1.
県の議会軽視のやり方に、全野党議員(議長を除く26名、全議員48名の過半数を超える議員)が一致した抗議行動をとったこと。
2.
2月県議会(予算審議)に展望が開けたこと。
3.
泡瀬干潟を守る連絡会と野党議員の連帯が出来たこと。
4.
連絡会は、与野党全議員に要請文(資料添付)を届け、議長へは議会で控訴断念するように、陳情書を提出した。
これらの行動は、評価されたと思う。
5.
連絡会の呼びかけに応じ、多数の方が要請行動・記者会見、傍聴行動に参加したこと。