事業者(沖縄総合事務局)  泡瀬の環境対策を公開(下記新聞報道)

 

問題点(前川盛治・泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)

 

1.        泡瀬干潟・浅海域の海草藻場が激減したことは全く触れていない。

  例:大型海草被度50%以上の藻場面積  H13年、H23年国資料参照(下記)

  H13年は56.8a  → 現在 ゼロ

2.埋立地(1区工事区域)には豊かな海草藻場76.6aがあったが、そのうち僅か1haが「移植」に使われ、残り75.6aは生き埋めになることを隠している。  22海草藻場の現況参照(下記)

3.手植え移植については、海草藻類専門部会での審議(総合評価)では「妥当」とは評価していない。下記が「総合評価」の文章である。このなかに「妥当」という表現はなく、実態をそのまま表記している。総合事務局は、独断で「妥当」と評価し、委員会を無視している。

 

  平成21 年第2 回海藻草類専門部会(平成22 2 24 日)のご意見を踏まえた資料修正箇所(平成21年度 中城湾港泡瀬地区環境保全・創造検討委員会 第1回委員会資料)

 

P.275.評価結果のまとめ)

・ 被度の推移について移植時を上回っていないこと、藻場に認められた機能について、どのような機能かが分かるよう加筆修正した(7 

13 行目)。以下に修正後の文章を示す(下線部が追加修正箇所)。

 

「移植後7 年が経過した現時点の移植藻場を各評価項目から総合的に判断すると、被度

は移植時を上回っていないものの、台風等の影響を受けてもその後徐々に回復するなど、

自然藻場の被度の推移と同様の変化をしながら維持されている。面積については、移植

海草の再生産も図られており増加傾向が続いている。海草種の組成は自然藻場と同様の

組成に遷移しており、生物生息状況においては自然藻場と同様の生物生息が認められる。

このように手植え移植藻場は安定して自然藻場と同様の変動を示しており、自然藻場と

同様の生物生息機能を有していると評価できる。」

 

4.手植え移植の評価で「生育面積が当初の3倍に増え」という表現は、あたかも、移植した藻場の面積が3倍に増えた(100uの藻場が300uの藻場になった)という誤解を与える。実際は、@移植した区域内での面積の増加。A移植した区域外での面積増加。B移植した区域内での面積の減少。の3つの合計である。

事業者の表現は、市民県民に誤解を与えるものになっている。

実態は下記資料を参考にしてください。

5.被度については、当初30%から現在15%になっている。環境省の「藻場の復元」とは、「攪乱以前と同じ状態にまで回復させること」から見ると、藻場は復元していない、という評価になる。

6.この埋立における環境影響評価書(アセス書)の、移植先の海草、藻場の状況について、埋立工事実施中については次のような監視基準が規定され事後調査を実施することとされている。

「移植時と比較して海草の生育被度が高くなっており、藻場に多くの生物が出現していること」

この基準から見ると、移植時と比較すると生育被度は半分に減少しており「生育被度が高くなっておりの基準を満たしていない」ことになり、「失敗」という評価になる。「藻場に多くの生物が出現」はクリアしているが、被度はクリアしていない。

7.まとめ 

今回の総合事務局の公開(下記新聞資料)は、市民県民に誤解を与える欺瞞に満ちたものである。事業者は、実態を詳細に県民・市民に公開すべきである。

 

 

平成13年は、大型海草被度50%以上の藻場は、56.8aあった。

大型海草とは、リュウキュウアマモ、ボウバアマモ、リュウキュウスガモ、ベニアマモなど亜熱帯特有の大型海草(うみくさ)

のことである。国天然記念物ジュゴンの餌になることから「ジャングサ(ジャン・ザン=ジュゴンが食べる草)」と称される。

泡瀬干潟・浅海域は、辺野古、金武湾とともに、沖縄有数の大型海草藻場の宝庫であった。

 

H21年は、大型海草被度50%以上の藻場は空白(ゼロ)になっている。

埋立工事の進行とともに、大型海草藻場が激減し、藻場全体も減少している。

 

環境保全・創造検討委員会資料(H14年度資料)

埋立てられる工事区域の中の藻場76.6a(第1工事区域 44.9a 、泊地6.4a、航路19.9a、西航路4.8a、防波堤0.6a、合計76.6a)が工事によって生き埋め・失われる。

 

H22315日 環境保全・創造検討委員会の資料

移植区域(黄色の線内)

@    移植区域内(黄色の線内)での面積の増加  100200

A    移植区域外での面積の増加。K1〜K1213の区域。E3〜E12。   約100

B    移植区域内での面積の減少。F1〜F3。G1〜G2H1〜H3。I1〜I2J1〜J3。  

減少は数値で示していないのでわからない。

※上の部分、右の部分、では区域外に拡がっているが、左では、被度・面積も減少している。

 

H22315日 環境保全・創造検討委員会の資料

被度は移植当時30%から現在15%に半減している。

環境省の「藻場復元の規定」「今度の工事のアセス書の監視基準」から見ると、被度が半減しており、「藻場は復元しておらず、アセス書の監視基準を満たしていない」という評価になる。