提言 伊波義安(「琉球諸島を世界自然遺産にする連絡会」の世話人)

 

 2003年、国の「世界自然遺産候補地検討会」で琉球諸島が知床、小笠原諸島とともに候補地に選定されました。琉球諸島が候補地に選定された理由として「きわめて多様で固有性の高い亜熱帯生態系や珊瑚礁生態系があり、絶滅危惧種の生息地になっている」と述べています。陸と海の豊かな生態系が一体となって評価されたのです。環境省の担当者は「琉球諸島は自然度が高く、学術的な価値は一番だが保護策が最も遅れている」とも指摘しています。

 南山大学の目崎茂和教授は泡瀬干潟について次ぎのように述べています。「豊かな生物生産性と多様性を持ち、特異な複雑性や広さなどから日本唯一の干潟環境である。」豊かで特異な泡瀬干潟は琉球諸島が世界自然遺産候補地に選定される重要な一郭を占めています。

 沖縄県が1973年に策定した「沖縄県土地利用基本計画」の中で次のように警告しています。「中城湾は沖縄本島で生物相の最も豊かな浅海域で、開発などの人為的な圧力が加われば、この内湾の自然環境は壊滅的方向をたどり、沖縄本島中南部の生態系のバランスも崩壊してしまう。この特徴的な豊かな海域をつぶすことがないよう厳に留意しなければならない。」

 泡瀬干潟の埋立が強行されれば琉球諸島の世界自然遺産への登録は大変難しくなるでしょう。泡瀬干潟を含む琉球諸島の特異で豊かな自然を護り、世界自然遺産に登録し、次世代に継承するのは今に生きる私たちの責務ではないでしょうか。