FTZ用地に「古酒貯蔵施設」

 

うるま市特別自由貿易地域(FTZ)には、FTZと全く関係に無いIT企業(IT津梁パーク)の誘致が進んでいますが、今度は、琉球泡盛「古酒貯蔵施設」が誘致されます。

 記事によると、用地は、「10年以内の買い取りを条件に10年間の賃貸借契約」ですから、FTZ用地の民間分譲率がすぐに改善されるわけでもありません。貯蔵方式は、「買い取り(古酒を製造し売り出す)」「預かり(一定期間預かり、各酒造所に返還する)」ですから、東埠頭の利用は想定されていないようです。

 売却価格を最大5割減しても売れないFTZ用地が、賃貸(売却)されることは、県民負担が減少することであり、歓迎です。しかし、このようにFTZと関連のない誘致が進む一方で、FTZ振興のために東埠頭を浚渫する、その土砂を泡瀬干潟・浅海域を処分場とする構想がそのまま進行していくとは、許されません。このようなことで「世界に宝」が失われることは、生物多様性条約締約国会議(COP10)の決議「愛知目標」にも反することです。行政の矛盾を正すべきです。

 沖縄県は、FTZ構想の抜本的な見直しを行い、東埠頭浚渫と泡瀬埋立を切り離し、FTZ用地の有効な転用を考えるべきです。

 ところで、FTZ用地は、浅海域埋立地であり、約36mボーリングしないと硬い地盤に到達しない場所であり、今回の大震災の教訓「液状化」の心配がありますが、古酒貯蔵施設建設は、大丈夫でしょうか。今回の震災で、千葉県の埋立地の石油貯蔵施設が破壊され、火災にあった情景が思い出されます。民間の施設とはいえ、心配です。