泡瀬干潟第一期埋立工事の中断・見直しを要請するアピール

1.アピールの趣旨

私たちは、東部海浜開発(泡瀬埋立)事業の中止を展望し、東門美津子沖縄市長に「泡瀬干潟第一

期埋立工事の中断・見直し」を要請するため、この市民集会を計画しました。

集会直前になって、新聞は、「東門市長、一期容認」を報道しています。これは、市幹部からの取材

として報道されていますが、もしこれが事実なら、私たちはこれに抗議し、その撤回を強く求め、「一期

工事の中断・事業の見直し」を強く求めるものです。

2.「一期埋立て容認」の明確な根拠はありません。

新聞報道では、一期工事容認の根拠として「工事が進行している、市の判断で掘り返すことは出来

ない」となっていますが、これは言い逃れです。工事が着工されたが、見直され、ストップし再生され

た例は、全国でも沢山有ります。例えば島根県中海(なかうみ)では、国営中海干拓事業が90%完成

していたが2000年に中止、関連した宍道湖(しんじこ)・中海の淡水化事業も2002年に中止され、宍

道湖・中海は、2005年ラムサール登録湿地になり、現在水門の撤去など後始末の事業が行われています。

地道な市民運動と自治体の連携の結果実現しました。

また、今後事業を見直すことについて「需要調査などを含め、二、三年を要する」としているように、

現時点で、明確な土地利用計画もないまま一期工事が容認されれば、一期工事区域の護岸が出来、

新港地区では質が悪くて使えなかった浚渫土砂(泥・シルト)が投げ込まれ、泡瀬干潟は取り返しのつか

ないきわめて大きなダメージを受けることになります。「破壊された自然は元に戻らない」のです。その

責任は誰が取るのでしょうか。二期埋立の共同使用地についても、米軍の核戦争のための新たな基

地建設・提供であるのに、「中止を要請する可能性がある」とされ、「二期埋立中止」も不明確な態度で

す。「新たな米軍基地は提供しない」という市長の公約に反します。

「東部海浜開発事業検討会議」の報告は、「今のままでは、この事業は沖縄市の活性化にならない」

「市民合意のために円卓会議が必要だ」「新たに検討委員会を立ち上げるべきだ」等が集約した意見

であり、「今の計画のまま推進する」という意見はゼロです。また、複数の委員は、沖縄市が再度検討

する間、市長から「工事の中断を国・県に要請する」必要性を指摘しています。

検討会議の意見を尊重するのであれば、一期工事を中断させて事業の見直しを進めるのが、沖縄

市のとるべき立場ではないでしょうか。

3.市民に271億円の負担を押し付ける無駄な事業は止めるべき(第二の夕張市はゴメ

ン)です

 この事業は、沖縄市の単独事業として進められましたが、財政面・将来性などの問題があり国の認可

が得られませんでした。しかし、隣接するうるま市の新港地区のFTZ(特別自由貿易地域)の港の土砂

処分場として国が参画することになり、一気に推進されました。しかし今、状況は大きく変化していま

す。

埋立の理由である「うるま市新港地区のFTZ振興」は、分譲地も売れず、FTZに関係のないIT関

連の企業を誘致するなど、FTZ構想は失敗し、FTZの港の必要性の根拠が崩れています。埋立地に

海洋リゾート地を創造する計画も、ホテル建設の目途がない・土地利用計画もない、など破綻していま

す。この事業は、沖縄市民・県民の合意も得られておらず、市民・県民に財政的な負担を押し付ける

沖縄市負担271億円、インフラ整備91億、土地購入180億、赤ちゃんからお年寄りまで一人

21万円の負担→271億÷13万市民=21万円、沖縄県負担435億円以上、埋立工事73億、

土地購入180億、港湾・客船埠頭建設108億、インフラ整備74億)ものであることも明らかになっ

ています。事業の失敗は明らかに予想され、第二の夕張市になってはいけません。沖縄県包括外部監

査人も、事業の抜本的な見直しを提言しています。宮古島市のトゥリバー計画の破綻(事業費218億円

、売却40億円→埋立業者・外国企業奉仕、市民へ178億円以上の負担押し付け)を教訓にすべ

きです。

4.新種・貴重種の生息地、世界に誇れる泡瀬干潟を失ってもいいのでしょうか。 

すでに明らかにされているように、工事区域内はホソウミヒルモ・ザンノナミダなどの新種・貴重種・絶滅危

惧種が生息し、貴重なサンゴの生息地であり、ムナグロなどのシギ・チドリ類の沖縄最大の越冬地であり、

世界に誇れる極めて貴重な場所であります。また、そこは県内有数の海草藻場であり、漁業・自然環

境保全・地球温暖化防止のためにも大事な場所です。今、泡瀬干潟の価値が見直され、保全への理

解が高まっています。

そのまま残し、ラムサール条約登録湿地としてエコツーリズムの拠点として活用しましょう。 

5.一部埋立てられたところは国(環境省、国土交通省、農林水産省)の再生事業で復活

させよう

工事は進行していますが、今工事を止めさせれば、泡瀬干潟はまだ救われます。埋立てられた部

分は、環境省の自然再生事業、国土交通省のエコポート政策や各省庁共同の事業(エココースト事業

等)等で元に戻す方策も考えられます。先にあげた中海や、和白干潟、三番瀬、大阪南港ウエットラン

ドなど、全国で再生事業の例はたくさんあります。世界に誇れる貴重な泡瀬干潟を残し、ワイズユース

(自然の持続的な賢い利用)が、今求められているのです。

6.豊かな自然を子や孫に残していきましょう。埋立事業を根本から見直しましょう。

 推進・反対の意見が分かれているから「落としどころ」として「中間の一期工事で妥協」など

と安易な解決策を弄するのではなく、沖縄市・県の将来や自然環境保全にとって何が大切なの

かを根本から問い直しましょう。私たちは、「一期工事中断・見直し」を強く求めるものです。

 

2007年11月26日(月)

世界に誇れる泡瀬干潟を守ろう!市民集会

〜埋立中止はみんなの願い〜