皆様

下記の記者会見を、今日(8月23日)午後2時、県庁記者クラブで行い、提起してある三つのこと(国・県への抗議、環境監視委員会の有識者委員への公開質問、沖縄県環境部局への公開質問)を行いました。

 なお、事業者(国・県)への抗議は、抗議文の手交だけでしたので、後日(29日・水、午後13時半総合事務局、14時半頃沖縄県港湾課)要請に対する回答・議論をすることになっています。  

 

 

 2012823

マスコミ各位 

泡瀬干潟を守る連絡会

共同代表 小橋川共男 漆谷克秀

         連絡先 前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)

                携帯:090-5476-6628

 

事業者(国・沖縄総合事務局、県港湾課)への抗議、及び中城湾港泡瀬地区環境監視委員会の委員(学識経験者、有識者)、沖縄県環境部局への公開質問

 

 2012730日(月)に開催された中城湾港泡瀬地区環境監視委員会の(3)報告で、「B事業者に情報が寄せられた種について」が、報告され

ている。

 その中の「事業者の考え方と対応」は、別紙(資料―4)の通りであるが、概要を示すと次のとおりである。

1.        平成18年度第2回委員会において報告したとおり、埋立予定地内の環境は喪失することになるが、極力工事の影響を少なくして埋立予定地外の環境を保全していくものと考えている。今後もこれまで行なってきた環境監視調査を継続するとともに、周辺環境の保全に努めていくことにより対応していくこととする。

2.現在までの事後調査等においては、泡瀬地区での本種の生息は確認していないが、本種の確認調査については、調査による撹乱で生息環境に及ぼす影響が考えられるため行わず、今後実施していく環境調査の中で確認された場合には報告する。

 この概要は簡潔にまとめると「埋立地内の絶滅危惧種は保全しない、フジイロハマグリを事業者は確認していないが、今後確認の調査は行わない、環境調査の中で確認されたら報告する」ということになり、結局、埋立予定地内の貴重種・新種・絶滅危惧種は保全されない。浚渫・埋立工事を強行し、泡瀬干潟・浅海域の環境を撹乱していながら、フジイロハマグリの確認調査は「調査による撹乱で生息環境に及ぼす影響が考えられるため行わず」との事業者の考え方は逆立ちの考え方である。私たちは、425日に、国・総合事務局に「フジイロハマグリの再発見を踏まえての泡瀬干潟・浅海域の埋立工事の中止の要請」を行ったにもかかわらず、事業者の対応は、これを無視しており、憤りを禁じえない。

 このような事業者の「考え方と対応」は、環境影響評価書(平成12年)で示された県知事の意見(下記、参考1)に対する事業者の見解(下記、参考2)で約束したことに反するものであり、絶滅危惧種の保全等の為に開かれた生物多様性条約締約国会議や採択された「愛知目標」にも明確に違反する内容であり、許しがたい。

 事業者は以上の「考え方と対応」を示しながら、「平成24年度工事予定」を公表している。その中には泡瀬地区・仮航路浚渫工事18万㎥(フジイロハマグリ生息地周辺の浚渫)が含まれている。この浚渫工事が進行し、そこにマリーナ・小型船だまり・防波堤が造成されたら、泡瀬干潟でのフジイロハマグリはまさに絶滅する。これは沖縄県発行の「レッドデータおきなわ」での記載(下記、参考3)から明らかである。このような自然破壊を強行する事業者の態度は許しがたいし、それを見過ごしている沖縄県自然保護部局や、環境監視委員会の責任も重大である。

 

 以上のことを踏まえ、国・事業者に泡瀬干潟の埋立工事の即時中止を訴え、今年度の工事強行に抗議し、環境監視委員、沖縄県環境部局への公開質問状を提出する。

 

1.    事業者(国・沖縄総合事務局、県港湾課)への抗議

● 国・沖縄総合事務局、県・港湾課は泡瀬干潟埋立工事を即時中止せよ。今年度の浚渫工事予定を撤回せよ。

 

2.    環境監視委員(学識経験者、有識者)への公開質問状

(1)    事業者の報告「事業者に情報が寄せられた種について」の「事業者の考え方と対応」について、委員としてのご見解をご説明ください。

(2)    環境監視委員会の役割(参考4:「環境監視委員会と環境保全・創造検討委員会の関係」、及び設置要綱(目的)第2条)を自覚し、事業者にフジイロハマグリの生息地の浚渫中止を提言すべきですが、そのような提言をしましたか。しなかったのであれば、その理由をご説明ください。

(3)「事業者の考え方と対応」は、環境影響評価書の事業者の見解に全く反する内容と思われますが、委員のご見解をご説明ください。

(4)以上の(1)〜(3)ご回答を、2012910日までに同封の封書で「泡瀬干潟を守る連絡会」までご返送下さい。

 

3.    沖縄県環境部局(自然保護課、環境政策課)への公開質問

●「事業者の考え方と対応」は、環境影響評価書の事業者の見解に全く反する内容と思われます。沖縄県環境部局のご見解をご説明ください。2012910日までに封書で「泡瀬干潟を守る連絡会」までご返送下さい。

 

参考1:環境影響評価書での県知事の意見

「工事中に貴重な動植物が確認された際は、関係機関に報告するとともに、適切な措置を講じること」

 

参考2:環境影響評価書での事業者の見解

「工事中に天然記念物指定種「レッドデータブック」、「レッドリスト」等の掲載種、その他貴重種・重要種に相当する種で、環境影響評価書に記載されている動植物種以外の種の存在が埋立てに関する工事の施工区域もしくはその近傍で確認された場合には、関係機関に報告するとともに十分調整を図り、その保全に必要な措置を適切に講じます。」

 

参考3:「改訂・レッドデータおきなわ」でのフジイロハマグリについての記載

生息地の条件:フジイロハマグリは、内湾域潮下帯の安定した砂底域を生息場所としている。

現在の生息状況:沖縄県内におけるフジイロハマグリの生息確認地点は、金武湾湾口部(平安座島沖および中城湾泡瀬干潟の2地域。

生存に対する脅威:泡瀬干潟におけるフジイロハマグリの生息域では、埋め立て工事が行われている。金武湾の生息域では、大規模な浚渫が行われている。沖縄県内のフジイロハマグリの生息条件は、すべての生息地で急激に悪化しており、個体群の存続が危ぶまれる。」

 

参考4:事業者資料:別紙参照

「環境監視委員会と環境保全・創造検討委員会の関係」参照。

設置要綱(目的)第2条)

説明: 環境監視委員会目的

 

 

別紙、資料―4 環境監視委員会で配布された資料

説明: フジイロハマグリ事業者対応20120730

 

なお、この記者会見では、下記「フジイロ砂州はホットスポット」と写真で、この海域の貴重性

重要性も訴えました。