環境監視委員会(2012年7月30日開催)での専門家(委員)の意見(再掲載)

 

事業者(国、内閣府沖縄総合事務局)が「工事現場周辺での海草被度の減少は、台風の影響である、工事の影響は特定できなかった」と報告したことへの「疑義」です。

 

 7月30日に開催された環境監視委員会では、海草藻類の生育被度の低下についての事業者の説明「台風等の外力による物理的攪(かく)乱が大きな影響要因である」に対し、委員から「被度は工事前の基準からみると大幅に減少している・・・・(02年度と04年度の大型台風の襲来が被度低下の原因だとする事務局の説明に)7年たっても回復しないのはあまりに遅い。何かおかしなことが起きていると考えるのが普通ではないか」と問題点を指摘している。

 

工事現場周辺での海草藻場の被度の減少とは、事業者が工事現場周辺で実施している「海草被度モニタリング調査」の結果が、工事着工前に比べ、工事周辺現場で極端に被度(海草が海底面を被っている割合)が「減少」していることを指しています。

工事着工前は、被度85%あった被度が現在約5%以下まで減少しています。工事現場周辺から遠いところでは、被度60%あったところは、現在は40%〜50%を維持しています。(後ろに掲載のグラフ参照)

 

以上示した状況は、委員が指摘するように、「何かおかしなことが起きていると考えるのが普通」です。

参考までにこの委員とは「立原一憲琉球大学理学部准教授」で、専門家の一人として国から委嘱をうけこの委員会に参加しています。

次のグラフをご覧下さい。泡瀬干潟を守る連絡会作成の、被度と台風、海上工事の相関関係のグラグです。

St.3が工事現場周辺、St.5は工事現場から遠いところです。St.3は、工事前被度85%が工事着工後現在5%以下です。

St.5は、工事前被度60%が工事着工後現在35%です。St.3が工事の影響を受けているのが分かります。