2010年8月4日

記者会見

東門美津子沖縄市長の「東部海浜開発事業」(土地利用計画沖縄市案)の国への提出、および沖縄市案を了承した前原誠司大臣の暴挙に強く抗議する。

               泡瀬干潟を守る連絡会

               共同代表 小橋川共男 漆谷克秀

               連絡先 前川盛治(事務局長)

               携帯電話:090−5476−6628

               住所:沖縄県沖縄市字古謝1171−3 

事務所FAX:939−5622

 

1. 東門美津子沖縄市長は「東部海浜開発事業・沖縄市案」(以下沖縄市案)を7月30日()に公表した。

   裁判で経済合理性がないと事業への公金支出を禁じられた、市政の重大問題である以上、提訴した原告をはじめとする市民・県民に計画案を広く説明して了解を求めることは最低でも必要なことである。また、私たち泡瀬干潟を守る連絡会をはじめ、環境団体・専門家などに十分な資料を提供して計画案のヒアリングを行うことも当然の手続きである。ところが、そのような手続きを一切とることなく、市長は沖縄市案を一方的に策定して、国に持参した。

市政与党や全議員協議会、沖縄市長選の支持4政党(社民、共産、社大沖縄市支部、民主党第3区総支部)に30()説明した。そして、東門美津子沖縄市長は、この案を早急に確定し、国・前原大臣に提出したいとしていた。

   この市長の説明に対し、市政与党、市長選支持4政党の共産党、社民党は、持ち帰り検討し問題点を分析し、再度協議したいとした。

ところが、その再協議も開催しないまま、急遽83()、東門美津子市長は、沖縄市案を前原誠司大臣に提出した。そして、前原誠司大臣は沖縄市案の提出を受け、即座にこれを了承し、「国の埋立事業を進めることとしたい」と表明している。

こうした東門美津子市長の行為は、あまりにも非民主的・独善的・電撃的であり、前原誠司大臣が沖縄市案を十分検討することなく、即座に了承したことも、民主党政権の「無駄な公共工事は中止する。コンクリートから人へ」のマニフェストをもとに、「(東部海浜開発事業)1区中断・2区中止」を表明し、沖縄市が新しい計画案を提出した場合「経済合理性があるかどうか、厳しくチェックし対処する」としていたことと照らし合わせると180度転換した行為であり、国民・市民への裏切りであり、許せない。国政の場での追求が求められる。

東門美津子市長、前原誠司大臣に満身の怒りを込めて抗議する。

2.東部海浜開発(泡瀬埋立)事業は、市民・県民約600名の原告及び支援する多数の市民・県民・国民の戦いで、二度にわたる裁判(08年11月那覇地裁、0910月福岡高裁那覇支部)で、「埋立事業に経済的合理性はない、公金を支出してはならない」という判決が言い渡され、その判決が確定して勝利してきた。この判決ではまた、「新たな土地利用計画に経済的合理性があるか否かについては、従前の土地利用計画に対して加えられた批判を踏まえて、相当程度に手堅い検証を必要とする」とも指摘されてきた。今度の沖縄市案はこの指摘に応えられる内容になっていないことは、あとで指摘するわれわれの分析でも明らかである。裁判の判決を踏みにじる、東門美津子市長、前原誠司大臣の行為は、今後厳しく糾弾されるであろう。

3.        私たち泡瀬干潟を守る連絡会は、この沖縄市案は、経済的合理性がなく沖縄市の財政破壊につながること、この計画が実施されると、泡瀬干潟の環境破壊・自然破壊につながること、また4月に行われた沖縄市長選挙の東門美津子氏の選挙公約に違反することから、認めることはできないし、国に提出することに断固反対との立場で取り組みを進めていた。新種がつぎつぎ発見され、絶滅危惧種も多数生息する泡瀬干潟の生態系は、世界的な価値を持つ。このような泡瀬の海と生物を埋め殺してしまうことで損なわれる価値がどれほどのもので、沖縄市案で想定される経済効果とどのように比較されるか、説明責任が事業者たる沖縄市にはある。ところが、このような検討を一切行わないまま、沖縄市案を策定した東門美津子市長、それを了解した前原誠司大臣は、行政の最低の責務も放棄したものというほかない。

そして、今年は国連の生物多様性年であり、10月には、名古屋で、日本が議長国になって、生物多様性条約締約国会議が開催される。そのような記念すべき年に、生物多様性の宝庫・泡瀬干潟を埋立てる計画が、進められることは、議長国の日本政府として許されることではない。

   

4.        私たちは、沖縄市長選の支持4政党(社民、共産、社大沖縄市支部、民主党第3区)にたいし、東門美津子氏のこの行動が、選挙時の政策協定(選挙公約)に照らし、適正な行動であったのか、また民主主義の原則から許される行為なのかどうか、説明責任を果たすことを求める。またこの問題は、県政の問題(沖縄県の負担が306億円以上想定される)でもあり、沖縄県の各政党としても責任ある対応が求められる。

    

5.2009年、沖縄市生活環境意識調査報告書によれば、市民の要求する「重点施策」で「東部海浜開発」は僅か11.8%(全体は300%)であり、25項目の中で順位も9位でしかない。このような「東部海浜開発」を国に提出し、再び市民を賛否の抗争に巻き込んだ東門美津子市長の責任は重い。9月の市議選、11月の知事選への影響も甚大である。

6.私たち泡瀬干潟を守る連絡会は、4月の市長選挙では、東門美津子市長当選のために奮闘してきた。対立候補が「12区全面推進」を表明し、東門氏が「経済的合理性がないときは事業を推進しません」と表明したことから、東門氏の勝利が、泡瀬干潟を守る連絡会の方針「埋立を中止させる」ことにつながると判断したからである。そして、「東門氏は、埋立て推進だから投票しない」という市民にたいして「東門氏の勝利で、中止の展望を示そう」と呼びかけ、その結果、東門氏は辛勝した。東門市長の今度の行為はそのような市民の願いを裏切るものであり、選挙公約違反である。今回の東門美津子市長の暴挙に際し、これまで、泡瀬干潟を守る連絡会として支持を表明してきたことを撤回する。そして、市民や民主団体、自然保護を求める団体・活動家、革新政党に幅広く呼びかけ、新たな埋立事業が再開されないように、考えられる新たな運動を幅広く検討し提起していく。

7.        当面の具体的な行動は次のようになる。

(1)東門美津子市長、前原誠司大臣への抗議、抗議文の発送(手交)

(2)東門美津子市長への公開質問上提出

(3)今後の運動は、幹事会で討議して、考えられる新たな運動を随時提起する。

 

 

沖縄市案の問題点(経済的合理性がないことについて)

泡瀬干潟を守る連絡会の見解201083

はじめに

一、        沖縄市案は、仮にその想定が全て現実のものとなったとしても、生物多様性が極めて高く世界的な価値を有する泡瀬干潟を埋めて破壊してしまう損失が合理化されるほどのものであるか、全く検討されていない。したがって、本事業の真の経済合理性は全く立証されていないのであって、沖縄市案をもって埋立理由の変更をすることは不可能である。

二、        しかも、沖縄市案において展開されている需要予測などのいわゆる「経済合理性」の説明は、私たちが少し分析してもその矛盾が次々に明らかになり、根本的に信頼性を欠いている。今後、この沖縄市案については、当然のことながら市民でも論議されていくであろう。

三、        前原誠司大臣は沖縄市案に対し、以下に記す4つの点についての留意、検討を深める必要を指摘している(83日)。このことは、国としても現時点で沖縄市案の経済的合理性が不十分であることを認めていることを自ら暴露している。

(1)海外客の取込を含めた観光客の誘致、宿泊需要の開拓方策や目玉となる企業の呼び込み、多様な客層誘致によるリスク分散策。

(2)民間企業の進出可能性をより高めていくための投資環境整備

(3)金融スポンサー(デベロッパーや投資フアンド等)とオペレータ(施設の運営者)が連携して全体の開業を主導・コーディネートするような方法、あるいは企画コンペの導入

(4)行革努力の継続と地方税収の推移に十分留意した財政運営

四、        以下に私たちが現時点でまとめた、沖縄市案の疑問点、問題点を指摘する。

 

1.        沖縄市案はスポーツコンベンション拠点形成として、「公共事業部分」と「民間事業部分」に分けられる。別添資料C公共施設運営事業にあるように、スポーツコンベンション(公共事業)は年間−177,799千円(18千万)の赤字が予想されている。

   多目的広場(年4700万赤字)、多目的ドーム(年4400万赤字)、交流施設(年7700万赤字)

   栽培漁業センター(年920万赤字)、合計約18千万の赤字

2.        民間事業部分は、宿泊施設、商業施設、臨海商業施設、健康医療施設がある。しかし企業等へのヒヤリング結果(5p)にあるように、@第2次企業ヒヤリング36社のうち僅か2社のみが「将来的な参画について検討」、A県内総合開発3社に対するヒヤリングの結果、2社が「進出意向を示している」に過ぎない。「進出意向の県内総合開発会社2社」(ホテル・商業、コテージ)は、どのような規模なのか、どの会社か、明らかにされていない。北中城村の旧泡瀬ゴルフ場跡地に立地予定の商業施設は数年前からイオンモールと具体的な社名も明らかになっている。健康施設用地(8a)については、進出意向の会社はない。進出意向の県内ゼネコン2社も、数年後のことであり、進出が確実であるかどうか、今の経済情勢では、不透明である。確実であれば、社名を公表すべきであろう。

民間事業部分は、ホテル(用地16.2a、ホテル300室、コンドミニアム150室、コテージ30戸)と商業施設用地(8.5a)、健康医療施設用地(8.0a)になり、ホテル用地は売却、商業・健康医療施設用地は、定期借地権方式を想定としている。

これまで民間用地はすべて売却するので沖縄市はリスクを負わないとしていたが、すべてが売却できないことを見越しての変更であり、土地利用計画の根本が崩れ、計画そのものが未知数・不透明であることを示している。

ところで、沖縄市案事業収支(9p〜10)では、ホテル用地は完売(収入52億円)され、商業・健康医療施設用地はすべて賃貸(賃貸料収入34億円、年1.3億円、賃貸権利金収入6億円)され、市民税・固定資産税等はすべて収入(年2.1億円)とされて、30年間では事業の収支決算はわずか67億円(年2.2億円)の赤字とされている。そして、公共・民間すべての事業がすべて順調に進み事業稼動後は年間149億円の波及効果があるとしている。公共事業は赤字、民間用地62aには僅か2社のみの「進出希望」では、沖縄市案の試算は「空想」であり、沖縄市を債権団体に転落させる道である。

 

3.        沖縄市案は、「市の財政への影響」(9p)で「・・実質公債費比率の最大値は15.8(リスクケースでも16)であり、財政指標でみる市財政の健全性は確保されるとありさらに、民間への土地売却価格が10%下がった場合でも実質公債比率は16%であり、レッドカードの18%を下回っているから、市財政の健全性は確保できるとしている。これらの試算は、今後30年間は、沖縄市が東部海浜開発(泡瀬埋立)事業以外では起債は一切行わない(外の事業では30年間は起債できない)ことを想定している。国の財政が厳しい折、沖縄市の財政は益々硬直化し、他の事業での財政支出、この事業での失敗等で、公債比率は18%以上になるおそれがあり、沖縄市は「債権団体転落」になる危険性は一層増大する。

4.         宮古トウリーバー計画、石垣島港湾埋立造成地、与那原・西原、糸満西崎、うるま市新港地区等は当初予想では、全てが順調にいって「活性化」するはずだったが、現在、当初計画が大幅に狂い、莫大な財政負担を抱え、市町村・県財政を圧迫している。宮古島市は債権団体転落寸前まで行った。石垣市も厳しい。

    うるま市新港地区のFTZ用地については、用地が売れずに沖縄県は、昭和57年度から平成20年まで公債費元金返済352億円、利息80億円を県財政から負担してきた。今後平成39年度まで公債費元金203億円、利息30億円の支払いを想定しており、すべてを合計すると664億円を県財政から支出することになる。沖縄県はFTZの失敗で莫大な財政負担を強いられている。沖縄市はこの事実を知っておりながら、沖縄市案ではあてのない収支報告書を作り上げている。

    このように民間事業部分は、「未知数」(「琉球新報」)「不透明」(「沖縄タイムス」)であり、民間事業が全て順調にいった場合を想定した需要予測(宿泊13万人、商業233万人、健康・医療54万人、マリーナ1.3万人、小型船だまり10.4万人等、合計約415万人)などは空想にしか過ぎない。単純に見ると、現在の沖縄全体の観光客数(605万人)の約69%が泡瀬埋立地に来ることになる。

特に商業施設については、泡瀬地域に隣接するうるま市に具志川ジャスコ(イオングループ)、具志川メインシテイが立地しており、また北中城村旧アワセゴルフ場跡に2013年には「複合型商業交流施設(イオンモール)も開店を予定していることから、泡瀬埋立地への立地は絶望的である。商業施設233万人は絵に描いた餅である。

 

5.        公共事業部門は、別添資料:公共上物施設整備事業で下記のようになっている。事業費総額107億円に対して国庫補助69億を想定しているが、財政逼迫・予算10%縮小の国財政の状況で実現できるかどうか不明である。医科学センターは空白になっている。

 

公共施設(上物施設)整備事業  単位:百万円

 

 

 

 

沖縄市案

専門部会案

 

事業費

国庫負担(想定)

起債

市単

事業費

多目的広場

2,900

1,450

1,305

145

2,700

多目的ドーム

6,000

4,500

1,125

375

6,000

医科学センター

 

 

 

 

1,100

交流施設

1,240

620

465

155

2,337

栽培漁業センター

600

400

150

50

600

合計

10,740

6,970

3,045

725

12,737

 

1074千万

 

 

 

1273700

 

ところで、公共施設整備費は9pでは、「116億円(国庫70億円)⇒沖縄市負担46億」となっている。

116億円、107億円、どちらが正しいのか分からない。116億円は利息を含めた計算か。

 

6.        土地購入費、インフラ整備費については、下記のようになっている

公共部門土地購入費は総額130億円(利息を含む)になっており、国庫負担が24億円、沖縄市負担が99億円である。土地購入も国庫負担頼みである。

インフラ整備費も総額116億円、国庫負担31億円、沖縄市負担32億円であり、国庫負担頼みである。

 

土地購入費比較 インフラ整備 沖縄市負担額  面積:ha  額:億円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖縄市案(20100730

専門部会案(20100303

 

 

 

 

 

面積

総額

市負担

面積

総額

市負担

 

 

公共用地

25.2

50

26

25.5

52

 

 

 

民間用地

32.7

66

66

32.1

66

 

 

 

小計

57.9

123(利息含む)

99(利息含む)

57.6

118

 

 

 

インフラ整備

 

63

32

 

57

 

 

 

公共施設整備費

 

116

46

 

 

 

 

 

合計

 

 

177

 

 

インフラ57

 

 

 

土地購入費は公共、民間を一括購入するとしながら、市の財政への影響(9p)で、「A進出企業の目途がついた時点で土地を購入することで、土地購入によるリスク回避が図られる」として、ホテル用地の民間への土地売却が失敗した時の責任を回避しようとしている。

ホテル用地の民間への土地売却が失敗した時、土地は国有地(県有地)のまま塩漬け土地として残ることになる。需要予測でバラ色に描きながら、1方で責任を回避する矛盾は許されない。

 また、一方では商業・医療用地の「民間用地賃貸料」(30年間34億円、1.3億円/)も示している。

売れないホテル用地、賃貸されない民間用地もインフラ整備費は支出される。売却や賃貸が進まなければ、インフラ整備費は沖縄市の負担のまま残ることになる。

 

6.建設投資額は次のようになっている。

 

 

沖縄市案

専門委員会案

 

主体

投資額

内容

投資額

増減

357

埋立に係る費用

357

0

沖縄県

306

港湾施設等の整備に係る費用

238

68

沖縄市

164

インフラ施設、上物施設の整備に係る費用

184

-20

民間

197

宿泊、商業、健康・医療施設等の整備に係る費用

260

-63

計パソコン

1024

 

1039

-15

沖縄市計

1020

 

1050

-30

 

沖縄県の負担が68億円増になっているが、詳細は分からない。アクセス道路建設(全長900m、幅30m、4車線、歩道つき)が沖縄県負担であると説明されているが、その費用が含まれているのかどうか、よく分からない。

また、沖縄市案(3)に沖縄県購入の土地面積(38.1a)が示されているが、その購入費が306億円に含まれているかどうか、よく分からない。

県も財政逼迫の中で、306億円の支出を認めるのか。コリンザの約10億円の債権放棄に難色を示している沖縄県が、泡瀬干潟埋立には、約30倍の306億円を気前良く支出する? よく分からない。

 

7.        沖縄市の建設投資額

上記6.の表(沖縄市案、8p)では、沖縄市投資額164億円(インフラ施設、上物施設の整備に係る費用)とある。この数値の積算資料の説明はない。別添資料によればインフラ施設事業費56億円(国庫負担31億、市負担25億)、上物施設整備費107億(国庫負担69億、市負担38億)とあり、56+107=164億円と思われる。ところが沖縄市案(9p)では、インフラ整備63億円(国庫31億、市負担32)、公共施設整備費116億円(国庫70億、市負担46)とある。これからすると、沖縄市の投資額は、63+116=179億円になるのではないか。数値が良く分からない。利息分を含んだ計算で数値が違うのか。

 さらに、沖縄市の建設投資額は、土地購入費(116億円、利息含めると123億円)が含まれていない。土地購入費を含めると沖縄市の投資額は56+107+116=280億円になるのではないか。

沖縄市案(9p)で、整備段階の支出合計は土地購入費99億+インフラ整備費32億+公共施設整備費46億=177億円と計算されている。

※沖縄市の投資額、支出総額の違いが良く分からない。金額を小さく見せようとしているのか?

 

8.        国の負担額  

上記6の投資額表によれば、国の投資額は357億円(埋立事業)となっている。

ところが、沖縄市案をみると、土地購入、インフラ整備、上物施設等の国庫補助があり、それらを整理してみると、次のように、総計634億円になる。自然破壊の埋立事業に、国が634億円を支出するのか。無駄な公共工事は中止する、コンクリートから人へ、の国政策の中で、将来の見通しの無い事業(経済的合理性のない事業)に国が634億円を支出するのか、前原誠司大臣は、本当に精査したのか、疑問が募る。

 

 

国負担 単位:百万円

 

 

 

 

 

 

国事業

埋め立て事業

35,700.000

 

沖縄市補助

インフラ整備事業

3,106.400

 

土地購入費国庫補助

2,410.500

 

公共施設整備事業

6,970.000

 

沖縄市補助計

12,486.900

 

沖縄県補助

県負担306億への補助

     15300.000

5割補助?

港湾、アクセス道路?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

634億円

 

 

9.        沖縄市の宿泊需要数予測、及びその他の需要予測

(1)東部海浜新規宿泊需要数予測

    平成30年の沖縄県全体の観光客数、県中部地域への観光客数、泡瀬埋立地の観光客数は、予測値であり、特に泡瀬埋立地の観光客数推計値は、これまで中部地域のビーチを訪れた率を元に、沖縄市を訪れた観光客が同じ率で泡瀬埋立地に来るという想定になっている。例えば読谷村のホテルの観光客がホテルのビーチに立ち寄る率と沖縄市に来た観光客が埋立地(人工ビーチ)に立ち寄る率を同じと見ることが出来るのだろうか?

 

    またH30年東部海浜新規宿泊需要数予測13万人の推測値は、H20年からH30年まで、沖縄市内には宿泊施設は一切作られず、既存のホテルは満杯(稼働率75%)なので増加予測人数(宿泊)は全て泡瀬埋立地の新設ホテルに宿泊する、という想定になっている(別添資料、需要予測の考え方、宿泊)。宿泊施設が市内に増加しないような魅力のない街に、自然を破壊して新たにホテルが造られたら13万人(1日平均356名)の宿泊客が増えるとは考えられない。

    

    さらに、先の仮定を仮に認めたとして、平成20沖縄市宿泊人数約179万人(沖縄市内ホテルからのヒヤリングによるH20実績)やH30沖縄市宿泊人数約25.1万人(推定値)から計算すると、埋立地の宿泊人数増加分は25.117.97.2万人であるのに、色々数値を掛けたり引いたり割ったりしてH30東部海浜新規宿泊需要数を約13万人としている。H20沖縄市の宿泊日数は1.84泊(のべ宿泊者数32.9万泊/宿泊人数17.9万人)なのに、定評ある観光地を含む沖縄県全体の平均宿泊数2.71泊を採用して計算したために、水増しされ約2倍の数値(13万人)が使われている。

    

 

(2)マリーナ、小型船だまり

   沖縄市には、泡瀬埋立地近郊(米軍泡瀬通信施設・北側)に沖縄マリーナがある。その利用状況は、年々減少している。経営は、苦しく、サムズバイザシー(レストラン)で成り立っていると思われる。また、県の中城湾港マリンタウンプロジエクト(与那原・西原地区)の主要施策に掲げていた「与那原マリーナ」の整備事業が企業の破綻や不況によるボート愛好家の減少により変更を余儀なくされていることは、新聞でも報道された(20091118日、「琉球新報」)。このような状況の中で、沖縄県は全県の小型船舶所有者に対して、マリーナ利用や泡瀬埋立地のマリーナ利用意向調査を2010年初め頃に実施し、その結果を集計しているはずである。そのようなデータも公表せず、また利用もしないで、「レジャー白書08」などの全国の平均的なデータで需要予測を推計するなど、実態を無視し、単なる期待値になっている。沖縄市案では、立地希望のマリーナ経営者はいない。また、沖縄市周辺・埋立地周辺で「小型船だまり」で賑わっているところはない。

(3)健康医療、需要予測

   沖縄市案では、健康医療施設用地8haは、海洋療法・医療施設、スポーツジム等になっているが、公共施設整備事業(別添資料)では、医科学センターは空白(専門部会案では事業費11億円)になっている。企業等へのヒヤリング結果でも医療関係は1社の「進出意向」もない。企業立地もないのに、需要予測では54万人(日平均1479)と期待値が記されている。

 

(4)多目的広場・展示、交流、緑地などの需要予測は、公共施設であり、沖縄市案でも年間1.8億円の赤字を生む施設の利用者であり、経済的合理性を示すものにはなりえない。

 

4月に行われた沖縄市長選挙の東門美津子氏と4党の政策協定(選挙公約)

 

以上の資料の通り、東門美津子氏は、4党と政策・組織協定書を交わし、重点政策を公表してきた。

要点は下記の通りである。

 

1.        沖縄市の土地利用計画に経済的合理性がないときは、事業を推進しません。

2.        泡瀬干潟を守り、貴重種・希少種の保護や持続可能な環境保全に取り組みます。

 

重点施策では、次のようになっています。

 

東部海浜開発事業は市民目線で見直します。

 

新聞報道(2010328日、「琉球新報」)では、次のようになっています。

 

経済的合理性の有無の判断は東門氏と4党で協議します。

 

文章化はされていませんが、4党とは、口頭で次のことも約束されていました。

 

1、        何が何でも埋立推進の立場ではありません。

2、        4党とは十分協議します。

3、        沖縄市案ができたら、経済的合理性があるかどうか、4党と協議します。

4、        1期期間中に出せるようにします。出来なければ提出しません。

 

中断6行目

「策定後は、市民、市議会、支持者らと話し合う」と発言しているが、この約束を反故にした行為をしてきた。