平成17年(行ウ)第7・8号 泡瀬干潟埋立公金支出差止等請求事件

準備書面(19)要約

第1 政府が,泡瀬地区埋立工事を直轄工事として行なう目的は,中城湾港新港地区埋立事業の一部,東埠頭浚渫工事の土砂処理場を必要とするためである。

本件埋立工事と東埠頭浚渫工事とは不可分であることは,工事の時期や浚渫土砂の利用状況,埋立と浚渫が一連の工事であることからも分かる。

 東埠頭浚渫工事に連動した泡瀬地区埋立工事は,そのほとんどが県,市の財政負担による工事である。

 よって,沖縄県と沖縄市に対して財政的負担を強いる本件泡瀬地区埋立工事は,東埠頭浚渫工事の必要性から,その正当性が問われる必要がある。

第2 中城湾新港地区の港湾整備・埋立事業の進行状況及び先行して行われた西埠頭の実績は,不振である(甲80「監査報告書」)

この点からも,東埠頭浚渫工事は必要ないことが分かる。

第3 先行モデル那覇の自由貿易地域が,不振に終わったことからも,沖縄県における特別自由貿易政策は,不適切である。

この点からも,東埠頭浚渫工事整備は必要ない

第4 浚渫・埋立工事の雇用効果は小さい。

   また,浚渫・埋立工事受注は本土ゼネコン・マリコンに有利なだけである。

第5 東埠頭浚渫工事および本件泡瀬干潟埋め立て工事は,自然を破壊し,県財政および地域経済振興の点から,不必要なばかりか将来にわたって負の遺産を遺すものであり,中止されるべきものである。

2005年の市債の残高407億円はと年度歳出額423億円に近づきつつあるなど,沖縄市の財政事情は非常に厳しいことからも,本件,泡瀬干潟埋立工事の中止を決定すべきである。

 以上