コーラル沖縄のサンゴ移植

NPO法人 コーラル沖縄が、泡瀬埋立工事第一区内のサンゴの一部を移植したとマスコミに公表していま

す。次はそれを、泡瀬干潟を守る連絡会がまとめたものです。

 

1.                             日時:62日、4日   

2.                             移植場所:東防波堤、先に移植した場所に追加  

3.                             移植方法  

(1)ボンド方は、前に移植したテトラポットの両端に移植  

(2)ネット法・基盤造成法は、前に移植した沖の先端(ヤッコアミメサンゴ)からさらに沖合いに11箇所(2)に移植

4.移植対象種と移植の規模

 

A:コノハシコロサンゴ ボンド法(Xブロック9個分、約21u)

B:リュウキュウキッカサンゴ 基盤造成法(約18u)

C:ヤッコアミメサンゴ  基盤造成法(約18u) 

D:オヤユビミドリイシ ボンド法(Xブロック3個分、約7u) 

E:ホソエダミドリイシ ボンド法(Xブロック3個分、約7u) 

F:スギノキミドリイシ ネット法(8枠分、約72u、コーラルマット法、約2u) 

        合計145u

 

以下は、泡瀬干潟を守る連絡会の見解です。

前に、沖縄市が中心になって行った面積が145uでしたから、合計290uです。

移植元は発表では976uありましたから、あと686u残っているはずですが、移植した人の話では「もう残っていない」そうです。残りは、移植作業で破壊してしまったのでしょう。移植した面積の割合は、約30%で、残り約70%は破壊され、一部残っているでしょうが、後は「生埋め」です。

 

ところで、この移植はどのようにして行われた、費用はどこから出たのでしょうか。

公明新聞に次の記事が掲載されています。

開発からサンゴ守ろう  公明新聞:2009610日 遠山氏ら 移植先の生息状況視察 沖縄・泡瀬沖
移植サンゴの生息状況を視察する遠山氏(中央)ら=9日 沖縄・泡瀬沖  開発からサンゴを守ろう――。
 公明党の遠山清彦前参院議員(衆院選予定候補=比例九州・沖縄ブロック)は9日、泡瀬干潟(沖縄市)の埋め立て工事区域内で進められているサンゴの大規模移植事業を視察した。
 同事業は、サンゴの保全のため、NPO法人コーラル沖縄(山里祥二理事長)や国、県などが協力して行っている。視察には、党沖縄県本部の金城勉幹事長(県議)が同行した。
 今年1月、本格的な工事がスタートした同埋め立て事業では、環境影響評価でサンゴなどの保全が求められている。
 同NPOでは昨年、国や県と協力し、工事区域内(約900平方メートル)の約2トンを移植。その後、遠山氏の橋渡しで斉藤鉄夫環境相(公明党)に対して、サンゴ保全への支援を要請していたところ、今月2、4の両日、国からの人や機
材の提供が実現。2度目の移植作業が実施され、同区域のサンゴは可能な限り移植された。
 遠山氏らは、内閣府担当者の案内で、海上から移植先のサンゴの生息状況を視察。通常、2〜3割にとどまる移植後の生育が順調に進んでいる様子を確認した。
 遠山氏は「民間と行政が協力して埋め立て予定地のサンゴを移植するのは、画期的な試み。自然環境に配慮した公共事業のモデルであり、引き続きサンゴ保全を後押ししていきたい」と語っていた。」

この記事、経過のわからない人から見れば、「自然環境に配慮した公共事業のモデル、公明党が尽力、国から人や機材の提供」として、「美談」に写りますが、とんでもないことです。

経過を簡単にふれます。

1.                                 国は、アセスで、埋立地には保全すべきサンゴはないと公表(1998年〜2005年))。

2.                                 泡瀬干潟を守る連絡会が、埋立地(1区工事区域)に保全対象のサンゴがあることを公表。(20054)

3.                                 国は再調査して、泡瀬干潟を守る連絡会の指摘を認めるが、被度は1%であり、保全の対象ではないと説明。(20047)

4.                                 私たちの再三の要請(保全すべき)に対して対応してこなかった、設置されている委員会でも審議しなかった。(2004年〜2007年)

5.200810月になって突然、「沖縄市が中心になって、国・県・民間NPOが協力して、976uの一部(145u)を移植。」

6.私たちは、この埋立事業は国・県の事業であるのに、何故埋立事業の当事者でない沖縄市が移植するのか、という問題点を指摘。しかし、沖縄市は、引き続き移植、モニタリングをすると説明。モニタリングの予算を計上。議会で追求。

6.20096月、今度は「民間NPOが中心になってサンゴの一部を移植。国・県・沖縄市・漁業協同組合・関連企業は協力した」とマスコミ公表

 

 以上の経過で明らかなように、この「サンゴ移植」は、下記のように大きな問題点をもっています。

1.                                 国は、杜撰なアセスを行ってきた。

2.                                 私たちの指摘で保全対象のサンゴが生息しているのに、何ら保全対策をとらなかった。保全すると、自ら「アセスの不備を認めることになる」ので、事業者(国・県)の責任で対応できなか  

った。

3.                                 「サンゴ生埋め」の世論を無視できず、沖縄市や民間NPOに「影で」対応を依頼した(これは推測)。

4.                                 沖縄市や民間NPOが主体だが、人・機材などは、事業者(国・県)が提供した。明らかに公費を使っているが、「協力」でごまかしている

5.                                 環境省は私たちの「サンゴ保全要請」にたいして、「事業者の責任で対応することになっている」として、何も対応してこなかった。

6.  公明新聞によれば、「環境省がサンゴ移植の人・機材の提供に協力した」となっている。これが事実とすれば、これまで「他の省庁の事業に意見が言えない、介入できない」としてきたこと

が大きな嘘であったことが明らか。そして、「サンゴ移植技術はまだ確立されていない」と国会で答弁しながら、泡瀬では、「ごまかしのサンゴ移植」に手を貸している。

7.  この「問題のあるサンゴ移植」を、総選挙を直前にして、泡瀬干潟・海域を破壊し泡瀬干潟埋立事業を積極的に推進してきた公明党が「開発からサンゴを守った美談」にして、宣伝しようと

している。

 

 以上の説明で明らかなように、事業者(国・県)は「環境に最大限配慮する」などと説明しながら、その内実は、ズサンなアセスであり、責任逃れであり、誤魔化しの保全です。

地球温暖化防止を口にしながら、泡瀬埋立事業では、「サンゴ生埋め、海草藻場生埋め」で全く逆なことを行っていて、平然としています。環境省は環境保全どころか、環境破壊に手を貸しています。

そして、泡瀬埋立を積極的に進め、世界に誇る泡瀬干潟を破壊してきた公明党を「環境保全の守り手」に仕立てようとしています。

来年度、日本・名古屋で生物多様性条約締約国会議が日本を議長国として行われます。生物多様性の宝庫、泡瀬干潟を破壊して「生物多様性を守る国際会議の議長国」とは全く矛盾したことです。

環境行政の抜本的な改革が求められています。

 

ネット法で新たに移植されたスギノキミドリイシ 

0966日撮影 沖縄リーフチェック研究会

コーラルマット法で新たに移植されたスギノキミドリイシ

0966日撮影 沖縄リーフチェック研究会

ボンド法で新たに移植されたホソエダミドリイシ

0966日撮影 沖縄リーフチェック研究会

基盤造成法で新たに移植されたリュウキュウキッカサンゴ  0966日撮影 沖縄リーフチェック研究会