沖縄市、沖縄県、上告断念検討、しかし、事業計画は推進
09年10月25日、「琉球新報」報道
以下、前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)コメント、10月25日
1.控訴審が確定し、沖縄県は事業(港湾造成、護岸突堤築造)継続が中止される.
2.沖縄市は、現在進めている土地利用計画の見直しは進め、あと何年かかるか分からない、変更手続き、
その後の申請作業を進めるとしているが、控訴審でも「相当程度に手堅い検証を必要」と指摘され、前原誠司沖縄担当相
からも「事業の採算性があるのか」「ペイできない時、沖縄市が単独で負担できるのか」などが指摘され、「控訴審判決を
みて判断したい」としていることからみても、沖縄市・県の事業継続方針は実現性がないものと予想される。
3.県・市が上告を断念することになれば、私たちの勝利である。しかし、沖縄市・県の「事業中断」までさらにたたかいを強化
しなければならない。
4.国(前原誠司国交相・沖縄担当相)に、9月17日の「1期中断・2期中止」表明、さらに10月4日の現地視察時の「控訴審判決
を見て対応する」をもとに、「1期中止」の表明を求める運動を強化しなければならない。
5.控訴審判決は泡瀬干潟を守る連絡会のHP(10月15日、ブログ)をご覧下さい。
「琉球新報」(09年10月25日)↓
「琉球新報」(09年10月25日)↓
「琉球新報」(09年10月25日)↓
今後の運動の方向について
控訴審勝利報告市民集会、10月24日、かりゆし園
控訴審判決についての声明(10月15日)から
1.「1期中断・2期中止」を表明してきた沖縄担当相に、泡瀬干潟埋立事業の「1期、2期の即 時中止」を要請する。 2.
沖縄県知事・沖縄市長に「上告断念」を要請する。 3.
既に建造された護岸を早急に撤去し、工事区域内のサンゴ・海草藻類・新種貴重種等の 保全を要請する。その為にも、1期区域内の調査を、私たち及び各分野の専門家を含めて 実施するように要請する。 4.
一部破壊された泡瀬干潟とそれに続く浅海域の保全のために「自然再生推進法」に基づく 再生を、国交省に要請する。 5.
沖縄市・県に、泡瀬干潟とそれに続く浅海域を鳥獣保護区に指定し、ラムサール条約に 登録し、エコツーリズムの場所として活用するように要請する。 |
今後の運動の方向(案)
基本方針案
「泡瀬干潟を守る連絡会」を引き続き強化発展させ、連絡会として、泡瀬干潟の再生事業
に取り組む。(総会でも確認)
具体的な案
1.
沖縄市・沖縄県が上告した場合は、抗議集会を開催する。
沖縄市が「上告を断念したが、引き続き、土地利用計画の見直しをすすめ、将来、再事業を検討する」とした場合も、
抗議集会を開催し、事業の中止を求めていく。
※
市・県が上告した時は、最高裁審議の委任状の早期準備を優先してすすめる.
2.
沖縄市・沖縄県が上告を断念した時は、「裁判勝利・市民集会」(仮称)を開催する。
3.
今日の再生についての意見交換を発展させ、「自然再生推進協議会」を目指し、「準備会(仮称)」を立ち上げる。
4.
「自然再生推進協議会」の資料集めを行う。島根県、宍道湖・中海の視察を計画する。
5.
自然再生推進法による自然再生には、問題点もあることから、それに頼らない自然再生の方法も検討する。財政負担の問題、
行政主導による「事業推進」への誘導、組織の問題(連絡会排除?)
6.
訴訟費用のカンパを再度訴える。
7.
1期工事区域内の総合調査の実施。
8.
環境監視委員会、環境保全創造検討委員会、海藻草類専門部会等への対応の検討
9.
アーサ不作の原因究明調査を行う。
11月頃から、実験区・対照区を設定して、来年4月までの継続調査を行う。
10.サンゴ、藻場、砂州、貝類、トカゲハゼ等の調査を継続実施する。
11.ヒメマツミドリイシ群落は1月〜4月にかけてカゴメノリの異常繁殖(?)による被害がある。国・県・市に「カゴメノリ除去作業」
を要請する。連絡会などの自然保護団体でも実施できるように要請する。
12.泡瀬干潟を保全するための活動を提起する。
◎ハボウキガイの採集禁止立看板設置 ◎ゴミの不法投棄防止 ◎節度ある貝類の採集
◎干潟域のヒルギ類の幼木の撤去(泥干潟消滅・砂質化によるトカゲハゼの生息環境悪化防止)
沖縄市が進めている土地利用計画の問題点は私たちのHPでその問題点をすでに指摘しています。 下記をご覧下さい。09年7月27日、泡瀬干潟を守る連絡会のブログ |
「琉球新報」(09年7月23日)に次の記事が掲載されていました。そして、この記事と、記事の中にある17日の
土地利用計画検討調査委員会の審議内容は、控訴審の証拠資料としても提出されています。
皆さんは、これを見てどう思いますか。
@
「
証明できた」、と思いますか。
A
それとも、「前の計画は白紙に戻り、今見直しをしているが、案が出来るのは、来年のこと、その後この案が実現可能性があるか
どうか検討され、確定するのはその後。さらに、法的な手続きも必要。現時点で経済的合理性は示せない」、と思いますか。
私(前川盛治・泡瀬干潟を守る連絡会・事務局長)は、Aの意見です。以下、その理由を述べます。
那覇地裁で敗訴した後、大慌てで進められた
の両方で進められ、市民部会は6月に「中間案」を発表し、それを参考に専門委員会で検討が行われ、新聞報道にあるとおり「2案」に絞り
込まれたようです。市民部会で出た「カジノ構想」は今回の専門委員会では、具体化されていないが、市民部会は11月には最終案をまとめるので、
そこで再び「カジノ構想」が出る可能性もある。
ところで、
1.
当初計画(187ha)のゾーニング(沖縄県・
いない。
2.
ゾーニング案も確定しないのに、上記の2案は、沖縄県・
3.
ゾーニング案を見ると、12年当時破綻していた構想(ホテル・コンドミニアム・コテージ)にまたもしがみついている。
4.
ホテル構想は縮小されているのに、客船埠頭・マリーナ(小型船だまり)構想はそのままである。
5.
トカゲハゼ、クビレミドロの人工干潟・野鳥公園・自然博物館等は、どこに行ってしまったんだろうか?
6.
この2案(国際交流リゾート拠点・スポーツコンベンション拠点)はいずれも公共施設の可能性が大であり、多額の税金(公金)が投入されなければ
実現不可能である。予算・資金は沖縄県・
(埋立の目的は、@国は東埠頭の浚渫土砂処分場造成、Aその埋立地を買って沖縄県・
そのまま国有地になり、そこに2案が実現することはないでしょう。もしそうなら、根本から間違っています。)
7.
「埋立地は民間にすべて売却する(
早くも破綻している。
8.
次回の専門委員会は「12月」である。市民部会も「6月」に中間案を発表したが、最終案は「11月」である。控訴審が結審する「7月23日」
までに、早めに案を作成するのが目的であり、「本当の見直し」ではなく、控訴審対策である。
9.
さらに、二つの案はいずれも「1区」を想定し、「2区」はアクセスの橋のみを想定している。
控訴理由書では「12年当時の案はまだ有効であり、1区・2区を含めて土地利用計画を見直している」といいながら、実際は「1区」の見直し案である。
そしてその橋はすでに破綻した構想(12年当時の構想)で予定していた2本の橋を前提にしている。187haの埋立を想定していたときの2本の橋は、
規模が半分(1区・96ha)になってもそのまま2本の橋が建設されるのでしょうか。前は約250mの橋でしたが、1区のみでは、約500m(仮設橋梁
の場所では、約800m)の橋が必要である。予算も2倍以上になると思われる。国は、それも了解しているのだろうか?
10. この2案が中心になって、
さらに、企業動向調査、経済波及効果調査も必要であり、その上公有水面埋立法・港湾法・都市計画法などの手続きも必要である。那覇地裁判決で示
された「現時点で経済的合理性がない」を覆す新たな証拠にはなりえないのは、明らかである。
@ 1区のみを想定し、2区はアクセスの橋だけを想定している
A
B
現在の仮設橋梁も将来は橋になるが、この橋も当初の2倍以上(3倍?)の橋になる。
C
当初計画の187haの約半分96haの人工島のために、当初計画の予算を大きく上回る莫大な公金が支出される。
D
委員の意見として、「ホテルは・・北側に立地させたほうがいい・・・」もあったそうです。