泡瀬干潟埋立公金支出差止等請求控訴事件 現地進行協議 

被控訴人説明概要 2009年7月8日()午前11時〜午後15時15分

後半に写真スナップあり

 

1.泡瀬総合運動公園展望台

説明者:前川盛治

説明内容:工事現場、泡瀬干潟、北中城アーサ養殖場一望

準備:干潟・浅海域貴重種分布図、海草藻場被度50%以上25a、藻場79a

自然環境保全指針ランク1図、重要湿地500北中城村アーサ不作の新聞報道記事

説明内容・概略:

1.        「自然環境の保全に関する指針」(沖縄県)で評価ランク1(厳正な保護を図る区域)の場所であったが、県は埋立を承認した。

2.        埋立地内に、新種、日本新産、貴重種、絶滅危惧種が生息している。生物多様性の宝庫である。来年、日本が議長国になり、生物多様性条約締約国会議が開かれる。

3.        海草が生息し、被度50%以上の海草藻場は25aあった。アセスでは、「移植して保全する」とした。専門家、環境省は「移植で保全できない」と表明しているが、事業者は移植を強行した。(甲62、甲63

4.        機械移植実験、減耗対策実験、手植え移植実験は失敗し、「手植え移植」で事業をはじめたが、移植は成功していない。

5.        海草被度が減少し、移植対象がなくなり、1区、2区全体の中の海草藻場79aが生き埋めである。

6.        環境省は泡瀬干潟・海域を日本の重要湿地500に指定した。ラムサール条約登録の基準も満たしている(環境省国会答弁)。

7.        このような貴重な場所が、「経済的合理性のない事業」で埋められることに、合理性はない。

 

2.運動公園オートキャンプ場先 

説明者:小橋川共男

説明内容:砂州(地形)の変化 

準備:砂州の変化の写真(新旧2)、フジイロ砂州の変化(新旧2枚)

 事業者の資料(2003年の航空写真)   (アセスでは変化なしと予測)

説明内容・概略:

1.        オートキャンプ場先の砂州が消滅した。フジイロ砂州は、小さくなり、北側に移動し、S字型に変化した。(甲1481,2

2.        アセス書では「工事による砂州、地形の変化はない」と記載されていた。

3.        工事により、砂州が変化したと専門家は指摘している。

4. 工事で発生した「粘土鉱物(シルト)」の影響で、ヒトエグサ(アーサ)が不作になった、と専門家は指摘している。(甲491,2

 

3.仮設橋梁根元

説明者:山城正邦

説明内容:トカゲハゼ、オキナワヤワラガニ、ドロクイ、野鳥

準備:トカゲハゼ・クロツラヘラサギ・オキナワヤワラガニ写真、ムナグロ越冬地(トカゲハゼ減少、泥干潟→砂干潟)、トカゲハゼ生息地が危機

説明内容・概略:

1.        日本で3箇所にしか生息していない、絶滅危惧種トカゲハゼの生息地である。

2.        渡り鳥(ムナグロ、クロツラヘラサギなど)の宝庫である。

3.        北部安波川流域だけに生息するとされた「オキナワヤワラガニ」の生息地である。ドロクイ(魚)の県唯一の産卵地である。

トカゲハゼが激減している。泥干潟が砂干潟に変化しつつある。トカゲハゼの保全が危機。

4.泡瀬では、砂質化がすすみ、事業者は3区画を掘り返し、メンテナンスを施し、トカゲハゼ生息を維持している。

 

4.工事現場の物見台

説明者:屋良朝敏

説明内容:埋立区域のサンゴ   (事業の進捗状況・・県)

準備:サンゴ分布図(新旧2枚)、埋立地産卵の写真、ヒメマツミドリイシ群落と産卵

(移植の状況・責任追及)、屋良朝敏論壇

説明内容・概略:

1.        アセス書では埋立地のサンゴ被度は10%未満で、保全の対象でない、西防波堤北西部はサンゴが生息していないとされた。(甲115,119

2.        泡瀬干潟を守る連絡会が調査し、アセス書の間違いを指摘した。

3.        事業者は、再調査し、埋立地内に約871uのサンゴ群生地を確認し、西防波堤北西部に被度60%以上のヒメマツミドリイシ群落約29360uを確認した。(甲104,105,106,115119)しかし、埋立地内の871uのサンゴ群生地の被度は公表していない。

4.        事業者は、埋立地内のサンゴは、保全の対象でないといい続けている。しかし、H205月国調査では、976u(生息分布範囲)と公表している。(オヤユビ22、スギノキ321、リュウキュウキッカ105、ヤッコアミメ154、ホソエダ140、コノハシコロ234、合計976u)

5.        08年から09年にかけて、事業者でない沖縄市や民間NGOが埋立地のサンゴの一部を移植した(976uの中の290u・30%)。

残り686u(70%)は生埋めであるが、そのサンゴが今年、09620日に産卵した。貴重であり、保全すべきである。西防波堤北西のヒメマツミドリイシは076月、086月、産卵が確認されている。

 

5.仮設橋梁先 

説明者:前川盛治

説明内容:県工事現場人工海浜突堤 

準備:県の工事内容(人工海浜の突堤工事、埠頭護岸の一部)、客船埠頭、コテージ、コンドミニアム、処分区分図(県・市)→現在の案  実現性なし

説明内容・概略:

1.        県の埋立目的は、@客船埠頭造成、A宿泊施設建設(ホテル、コテージ、コンドミニアム)、B海洋研究所等であるが、破綻している。

2.        これまで行った県の事業は客船埠頭になる場所の一部の護岸、人工海浜ビーチの突堤部分の護岸造成である。

3.        今、沖縄市が土地利用計画の見直しを始めており、現時点では土地利用計画は「白紙」であり、ホテルや客船埠頭が必要かどうかも不明である。栽培漁業施設、海洋研究所も計画なしである。

4.このような状況で、県が行っている工事は、それこそ「経済的合理性がない工事」であり無駄な事業であり、公有水面埋立法、地方自治法、地方財政法に違反する。

 

6.クビレミドロ砂州

説明者:小橋川共男

説明内容:干潟体験・クビレミドロ生息地確認 

準備:クビレミドロ写真、干潟写真、移植技術未だ、海草藻場変化(開発)、アーサ異変(小橋川)、工事の影響

説明内容・概略:

1.        世界で3箇所にしか生息していない絶滅危惧種クビレミドロの生息地である。「移植が可能である」とアセス書に記載されているが、

   11年経過後も移植技術は確立していない。2期工事が進行すれば、クビレミドロが消滅する。(甲100103135

2.        海草藻場が消滅した。アーサが消えてしまった。工事で発生した「粘土鉱物(シルト)」による影響だと、専門家は指摘している。(甲147、甲14911492

3. 都市近郊でミナミコメツキガニの大群が見られる場所は、ここ以外にない。冬季・夜のウミホタルの観察場所でもある。

 

7.新港地区西埠頭

説明者:漆谷克秀

説明内容:西埠頭の状況

準備:要請文(リサイクルポート、定期航路、倉庫、ガントレ、電気・水道、冷凍庫)、遊休港、建設・維持費赤字、FTZ企業1社も使っていない

説明内容・概略:

1.        リサイクルポートと位置づけられているが、閑散としている。稼働率が近年85%までアップしているといわれているが、まだ相当余裕がある。

2.        FTZの企業は西埠頭を利用していない。定期航路・ガントリークレーン・倉庫・冷凍庫なし、電気・水道料金が高いなどの理由である。

3.        西埠頭もこのような状況であるのに、東埠頭を造成しても、利用状況は改善されない。西埠頭の経常、建設支出に対する収入比率は、赤字である。(朝日081115)

4.        しかもFTZ用地は、ガラ空きであり、分譲価格を3〜5割引しても分譲が進まず、実質分譲率は2.1%である。

5.        県の平成23年目標は、75社立地であるが、現在25(33)であり、達成は困難であると思われる。

6.        FTZ構想の見直しが求められている。那覇港でも貨物が激減しているのに、さらに「国際物流貨物航路」を持ってくるという。

   沖縄振興になっていない。

 

8.新港地区東埠頭

説明者:前川盛治

説明内容:東埠頭の状況

準備:泊地・航路の浚渫土砂の処分、土砂処分図、FTZ状況図、FTZ構想が破綻、代替地の検討、余った浚渫土砂(710万㎥の処分、10dトラック・8リユーベ積載・89万台)

沖縄振興になっているのか、工業化不要論、内閣府資料

説明内容・概略:

1.        この東埠頭の泊地・航路の浚渫土砂710万㎥が泡瀬干潟埋立に使われる。しかし、この浚渫土砂はこの場所「新港地区」の埋立に使われる予定であったが、シルトのため、変更され使われず、余ってしまった。処分に困った国が泡瀬干潟の埋立に使うことになった。(10tトラック・8ルーベ積載・89万台分の土砂)  当初計画は海洋投棄→海洋法改正(1996)で変更

2.        FTZの浚渫土砂の代替利用も考えるべき。(土地改良事業等)。浚渫土砂処分場としての泡瀬埋立だけが進行している。県・市のリゾート地造りの目的は破綻している。

3.        将来性のないFTZの犠牲になって、世界に誇る生物多様性の宝庫・泡瀬干潟が埋められることは、合理性がない。

4.        新港地区「多目的ターミナル整備事業」の浚渫に要する事業費は357億円だが、すでに63%・232億円は支出済み。浚渫は始まったばかりで、わずか15.5万㎥(710万㎥の2.2%)しか浚渫されていない。浚渫事業費は大幅に増加する。費用対効果も低くなる。(公共事業チェック議員の会への内閣府の資料・09618日)

5. 沖縄ではFTZは当初から無理な構想だと指摘されていた(沖縄開発庁振興開発局長の新聞記事、01130日、琉球新報)

 

9.IT津梁パーク 

説明者:當間秋子

説明内容:FTZに関連ない企業誘致 

準備:FTZ分譲地の図面(FTZ都市機能用地)、IT津梁パークの状況→将来性あるのか(新聞記事)FTZ関連ない企業の誘致が進むのか、FTZ見直し

説明内容・概略:

1.        ここはFTZ都市機能用地だった。変更され、FTZに関連のないIT企業が誘致されている。

2.        今中核施設がつくられているが、周辺への民間企業誘致がうまくいっていないといわれている。(0953日、沖縄タイムス)

   A棟:中核機能支援施設(2階建て、床面積2800u)完成(開所式611日)、B棟:民間IT施設13棟計画(各棟4階建て、5000u)→入居ゼロ(2008年〜2010年入居企業公募) 

3.        FTZ用地に関連のない企業を誘致するのであれば、FTZ構想を見直したほうが沖縄の振興になる。

 

 

10.肝高橋

説明者:桑江直哉、山城正邦

説明内容:分譲地の状況、トカゲハゼ人工干潟 

準備:分譲状況(4社、2.1)、潮漬け土地(5割引売れない)、23年度目標75社(現在25社・33%、レンタル19、分譲6)、FTZ一部関連企業約12社、トカゲハゼ人工干潟(泥干潟メンテナンス、人工養殖稚魚放流、自然稚魚放流)→泡瀬では、人工干潟を造るだけ、トカゲハゼ保全が出来ない、トカゲハゼの生息状況変化

説明内容・概略:

1.        FTZ用地の潮漬けの状況をご覧下さい。道路、公園、橋(全部で4つ)等はきれいに整備されていますが、肝心の企業はほとんどありません。実質分譲率は、僅か2.1%です。(甲1521,2

2.        世界的な金融危機・不況が続く中で、企業誘致が進むか疑問です。しかも立地している企業でFTZの制度を完全に利用しているのはなく、一部利用しているのも僅かです。沖縄での製造業の困難さは、以前から指摘されていました。那覇港近くの自由貿易地域も失敗しています。(内閣府提出資料、平成2012月)

3.        レンタル工場も23棟ありますが、4棟は空いています。去る4月には2社が撤収しています。分譲地に新しい企業が立地する予定でしたが、不況で立地を断念しています。(09427日時点)(平成20年度企業立地推進課資料)

4.        トカゲハゼの人工干潟

  @工事の進行により、激減した。A人工干潟を造成し、泥の入れ替えなどのメンテナンスを行い、人工養殖した稚魚を放流した。(人工養殖がうまくいかなかった年は、佐敷干潟から自然の稚魚を採集し、新港地区人工干潟に放流した。)B現時点で埋立前の生息数まで回復したといわれている。 しかし、泡瀬干潟埋立では人工干潟のメンテナンス、稚魚放流は一切なしとされている。(58)

5.        野鳥激減 予測が外れた環境影響評価

新港地区埋立事業において「北東に残る干潟域は野鳥の採餌・休息場所となるよう整備するため鳥類への影響は軽微」と予測された。しかし、最大1,700羽生息していた水鳥は49羽まで激減した。指標生物と呼ばれるシギ・チドリ類が棲めなくなった新港地区の人口干潟は、干潟生態系が崩れ機能していないと思われる。

(甲114116117

 

 

次は、小橋川共男さんが各説明現場での様子を撮影したスナップ

埋立工事が一望できる 泡瀬運動公園展望台

運動公園展望台 貴重な干潟・海域 前川盛治

砂州変化 小橋川共男(後で追加する)

仮設橋梁入り口、野鳥・トカゲハゼなど 山城正邦

工事現場 サンゴ生息・サンゴ移植 屋良朝敏

県の工事 人工海浜ビーチ突堤護岸(先の方)

工事現場 計画ないのに国・県の工事進行

前川盛治

クビレミドロの砂州 原田弁護士、亀山、桑江、マスコミ多数

クビレミドロ砂州 豊かな干潟、破壊されつつある現状  小橋川共男(後で追加する)

クビレミドロ砂州 県港湾課・添石氏

「クビレミドロ移植は可能」と説明

西埠頭 閑散、FTZ破綻、赤字経営

漆谷克秀

FTZ東埠頭「多目的国際ターミナル」

FTZ破綻、浚渫工事の合理性なさ 前川盛治

FTZ東埠頭 ここの浚渫土砂が船で運ばれ泡瀬干潟の1期工事区域に投げ捨てられた

FTZ東埠頭 国は「多目的国際ターミナル」整備事業として泥状の浚渫土砂を泡瀬干潟に投げ捨てた

FTZ用地に、関連のないIT企業誘致

當間秋子 右は原田彰好・弁護団長

コアジサシが群れていた 産卵も確認された

未分譲の広大なFTZ用地を前にして

肝高橋 トカゲハゼの人工干潟、野鳥の楽園消失

奥に堀雅博弁護士

各説明現場では、裁判官(3)は説明資料に眼をやったり、現場の状況を眺めたり、説明に

聞き入るなどの状況であった。マスコミのインタビューにも「実際に見たほうが分かりやすい」

と感想を述べていた。

 

新聞報道  琉球新報0979日朝刊↓  クビレミドロの砂州での説明

沖縄タイムス79日朝刊↓  クビレミドロの砂州での県側の説明

 

他のマスコミは次のように伝えています。

 

・中城湾港泡瀬干潟埋め立て訴訟:裁判官が現地視察 住民側と県、市が説明…
[毎日新聞]
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20090709rky00m040003000c.html

・沖縄・泡瀬干潟/開発やめてハゼ守れ/調査の裁判長らに市民語る
[日本共産党]
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik09/2009-07-09/2009070915_01_1.html

・泡瀬干潟訴訟 裁判官が干潟の現状視察[沖縄テレビ放送]
http://www.otv.jp/newstxt/news.cgi?mode=detail&code=20090708190361

・泡瀬干潟埋立控訴審 高裁・裁判官が現地調査[琉球朝日放送]
http://www.qab.co.jp/news/2009070810404.html?p=10404%ef%bc%86print=1?TB_iframe=true%EF%BC%86width%3D760%EF%BC%86height%3D400