2008116

沖縄市長 東門美津子 様

泡瀬干潟を守る連絡会

共同代表 小橋川共男  漆谷克秀

連絡先 090-5476-6628前川盛治

泡瀬干潟を守る連絡会事務局長

 

125日記者会見内容の問題点と今後の対応について(要請)

 

07125日、東門市長は、沖縄市東部海浜開発(泡瀬埋立)事業について「一期容認・二期困難」の見解

を記者会見で表明しました。この内容について、当連絡会は、次の問題点を指摘しました。

1.市民の意思を反映していない。市長当選の世論を反映していない。

市民は埋立中止が過半数、東門市長は「埋立積極推進の候補者」を退けての当選である。

2.一期容認の根拠が不明である。

3.「工事が着手されている」「工事の進捗状況からみて」などと工事進行を理由にしている。

   島根県中海のように工事が90%進行してから中止され再生された例は数が多い

4.これまでの土地利用計画が破綻し、今後2〜3年かけて見直すというのに、「一期容認」は本末転倒である。「埋立必要理由」が

無いまま、工事が進行している。見直すのであれば、まずは「工事中断」をさせるべきである。

5.一期の「環境などへの影響も指摘されていることは承知」しているとあるが、言葉だけであり、一期区域の環境への配慮は無い

(一期区域はサンゴ生息地、新種・貴重種ホソウミヒルモ・ニライカナイゴウナ・オサガニヤドリガイ・ヒメメナガオサガニ・カラクサモク・リュウキュウズタ・ジャングサマテガイ・

スイショウガイ・深場のコアマモなどの生息地。また埋立予定地には被度50%以上の海草藻場が25aあったが、その場所が保全されずに

生埋めされる。沖縄市の計算によれば、一期工事で失われる藻場面積は、航路浚渫の場所を含めて約75aである。)一期工事が

進めば、二期区域の自然(クビレミドロ・トカゲハゼ・自然環境)も大きな影響を受ける。現在その影響が顕著である。

具体的な例→泡瀬干潟で貝が採れなくなった。通信基地側に砂が堆積し始めた。砂の流出で礫にかわり海草藻場が極減している。

西防波堤の西側(通信基地先)の砂州が変形し、また通信基地側に近づいている。運動公園側の砂州が消えつつある、等々。

6.新種・貴重種への対応の約束違反、アセス書の杜撰さなど、事業者の環境への配慮はなく「工事ありき」であるのに、「国・県が環境

への細心の配慮に努めていることは一定評価」などとしている。

事業者はアセス書で次の約束をしているが、守られていない。 

工事中に天然記念物指定種や「レッドデータブック」、「レッドリスト」等の掲載種、その他貴重種・重要種に相当する種で、

環境影響評価書に記載されている動植物種以外の種の存在が埋立てに関する工事の施工区域内若しくはその近傍で確認された

場合には、関係機関へ報告するとともに十分調整を図り、その保全に必要な措置を適切に講じます。

7.二期区域について「困難」とあり中止を表明していない。

新たな基地提供、土地利用計画に制限がある、としながら「二期中止」の明確な態度が無い。これは、新たな米軍基地を提供しない

という東門市長の公約に反する。

8.規模縮小・土地利用計画の見直しなどを含んでおり、港湾法、公有水面埋立法、環境影響評価法などによる変更の法的手続きもあると

思われるが、何が問題で、どういう手続きが必要か、具体的な説明は無い。

9.「市財政の負担軽減については、国及び県に対し土地利用への参画・支援を強く要望」とあるが、土地利用計画・財政保証そのものが

破綻していることを自ら認めるものであり、国県の支援があるかどうか希望的観測でありよく分からない。

10.              記者会見内容を裏付ける資料がない。内部資料としてごく一部の人にしか渡されていない。情報公開を公約にしながら、秘密に

ことが進んでいる。

11.              沖縄市民の負担は、一期・二期全体の場合、当初の271億円を大幅に上回り、293.37億円になる。

    一期だけでも55億(インフラ整備費)+82.4億(一期の中の沖縄市が土地利用する面積の土地取得費)=137.4億円(117.4億円)

(括弧は補助事業等を活用した場合)になる。

以上の問題点で明らかなように、東門市長の記者会見内容は、到底容認できるものではなく、

当連絡会としては、抗議し、直ちに撤回すべき内容だと表明してきました。

 今年は国際サンゴ礁年である。世界的にサンゴが地球温暖化(白化現象)やその他の原因で消

滅しつつある現在、生息するサンゴは極めて貴重であり、その保全が求められる。しかし泡瀬で

は、リュウキュウキッカサンゴ・スギノキミドリイシなどのサンゴ生息地が埋立により消滅寸前であり、また、約3

万平方メートルに及ぶヒメマツミドリイシの群落(昨年はじめて産卵が確認された)が、埋立後に行わ

れる航路浚渫で失われようとしている。

 また、先の問題点でもふれたように、埋立地、特に一期工事区域は、泡瀬干潟の命の場所で

ある。そこが、「工事が進行している」という理由だけで、埋立だけは進行していくことは、あ

まりにも理不尽なことであり、許されない。土地利用計画が破綻し「これから2〜3年かけて土

地利用計画を見直す」としていることからすれば、工事を中断させ、根本から埋立計画・事業

計画を見直すのが行政のあるべき道筋ではないでしょうか。東門市長は、このような「本末転

倒」の態度を改めるべきである。私たちは、次の事を再度強く要請する。市長の真摯な対応を

お願いいたします。   

1.                        まずは現在進行している工事を中断させ、埋立計画・事業計画を根本から見直すこと。

2.                        「一期容認・二期困難」と判断した根拠(資料)を公開し、それに対する市民の意見を聞き、市民意見を集約す

ること。

3.                        一期については中断を要請し、二期については、「困難」ではなく、直ちに「中止」を表明すること。

4.                        事業者、国・沖縄総合事務局が0711月に発行した「中城湾港泡瀬地区・生物ハンドブック」は例えば、サンゴ生息地、

サンゴの種類等については、虚偽の内容になっている。沖縄市として、これに抗議し、この冊子の配布を中止させ

ること。

5.                        一期区域内に生息するサンゴの保全について、例えば移植による保全について事業者に要請すること。

6.                        埋立計画・事業計画の見直しについては、市民の本当の声を反映させるための手順を踏まえること。例えば、

正当な第三者機関による「世論調査」の実施、埋立事業の是非を問う「住民投票条例の制定」など。

7.                        今後の対応については、「三つのOPEN(オープン)政策」に基づき、市民の意見を行政に反映させる立場を堅持し、

「泡瀬干潟を守る連絡会」などの市民団体からも意見を聴取し、意見を尊重すること。

8.                今後の工事の進め方について、事業者(国・総合事務局)が提案している「通年工事」を容認しないこと。

(これまで事業者・国は、トカゲハゼの産卵・孵化・浮遊生活・着底期間である4月〜7月は、海上工事を行わないこ

とを約束しているが、事業者はそれを改め、通年工事を沖縄市・沖縄県に提起している。)               

以上

 

        回答は、後日文書で回答するように要請した。

        当日は、東門市長は次のようにコメントした(前川盛治・泡瀬干潟を守る連絡会事務局長メモ)

1.                市民、多くの方々と意見交換をしてきた。

2.                就任以来勉強もしてきた。検討会議の報告も受けた。庁内でも討議をしてきた。

3.                5日の発表は、総合的に判断したものである。今後私に何が出来るか、要請も踏まえて検討していくが、発表した内容はベターであると思う。不満もあると思うが、行政の責務で判断した結果である。

4.                推進派もいるし、市議会での推進決議もある、過去に3回の全会一致での市議会決議もあることも理解してほしい。

5.                市長選では反対ではなく、検討会議の設置を公約した。事業の是非が明確な争点になった前回・2002年の市長選挙で、ある程度民意は出たと思っている。

 

上記の市長コメントは了解できるものではないが、特に、5については、多くの問題点を含んでいる。

 

前川盛治・泡瀬干潟を守る連絡会事務局長コメント

このコメントは、検討会議の設置・検討会議の報告を受け、市民の意見を聞いて埋立の是非の判断するとした公約や経緯を見ても明らかなように、誤魔化しであり、是非の判断を問われた責任から「逃避」している回答であるといわなければならない。

2006年の選挙では、相手候補(桑江朝千夫氏)は「東部海浜・埋立事業の積極推進」を大きな政策にして立候補していた。「検討会議の設置」「市民の意見を集約して判断する」等を公約にして東門氏が当選したことは、どういう意味をもっていたのか、そして検討会議の意見を聞き、市民の意見を聞き埋立の是非を判断する、ということは何を意味していたのか、改めて問わなければならない。