平成18(2006)年度中城湾港泡瀬地区環境保全・創造検討委員会
第1回海藻草類専門部会(2006年6月21日)
前川盛治(泡瀬干潟を守る連絡会事務局長)
意見と要望
議論の結果、事業者回答は赤で示しました。
1.
手植え移植の詳細調査の2地点(10H、2I)の調査報告の写真について
被度を見るうえで写真は参考になるが、報告書の写真(例えば、5ページの写真)は、2m枠全体を斜めに撮影しており、被度・面積が良く分からない、海草なのか海藻なのかの見分けもつかない。
59区画の内の詳細調査2地点の報告であり、もう少し精度の高い写真を提供すべきである。
私が前回報告した写真(2m枠を4分画し、真上からとる。2月11日の写真の一例、下に掲載)のように、被度・面積の参考になる写真を提供すべきである。
11ページの写真(これは、対照区:St.ハ の写真か? )の手前を、真上から写せば被度・面積の参考になると思う。
参考 前回の委員会(06年2月22日)に提供した2Iの写真の一例
2Iの4分の1区画 06年2月11日撮影
事業者の2Iの被度評価(05年11月)は15%になっているが、私の評価(2月11日時点)は5%であり、大きな開きがあった。事業者はその後、06年1月10%、3月10%としていた(資料編では15%)が、5月15%としている。
私は5月は調査していないが、7月事業者の調査と同じ時期に調査し写真も提供するので、事業者も被度の判断の参考になる写真を提供してほしい。
事業者回答:そのような写真を提供する。
なお、午前に潜水調査したので、各委員の2I、10Hの被度を参考までに示してほしいと発言したが、座長から「数字が一人歩きし、建設的な論議にならないので控える」との回答であったので、あえて求めなかったが、終了後、他の委員の評価を聞いてみた。
下記の通り
06.6.21の評価 |
前川評価 |
他の委員 |
事業者の評価・5月 |
2I |
7% |
5% |
15% |
10H |
23% |
30% |
30% |
1.
手植え移植の詳細調査の2地点(10H、2I)の調査報告の、大型海草、小型海草の面積について
グラフ、色(5色)で示してあるが、はっきりわからない。
例えば、4ページの10Hの平成18年5月は、何色あるか良く分からない。
特に、上の二つは、区別が良く分からない。また、下は大型海草被度50%以上があるのかどうか分からない。
(1)色の区別がはっきりするように工夫してほしい。
(2)また、資料編(資−7)のデータと見比べれば分かるので、データ(資―7)を、生育面積のグラフの場所に掲載して欲しい。
(3) 06年5月はグラフはあるが、データは無いので、よく分からない。3月と5月を比較すると、大型海草被度10%未満は3月:2.81、5月:約0.75、被度10〜50未満は3月0.27、5月:約2.5になった、ということか?
(約9.3倍に増えている)、重要な変化なので、データを示すべきだ。
事業者回答:(1)(2)そのようにしたい。(3):当日配布資料には06年5月のデータが、資料編に追加されていた。
2.
被度のデータが一致していない。
資料をみると、3ページの2Iの生育被度のグラフの数値と資料編の付表1−2のデータが違っている。資−22,平成18年1月12日、資‐23、3月1日の2Iの被度は15%になっているが、3ページのグラフではいずれも10%になっている。データに信憑性はあるのか。
事業者回答:資料編のデータがミスでした。当日配布資料は訂正してあります(潜水調査の前に事業者が私に訂正の報告あり)
→ 2月発表から6月21日までミスに気がつかなかった、とはおかしい。?
3.
場の創造実験の報告について
4)導入した海草の生育状況調査(39ページ)
実験区、対照区とも図で被度・面積を示しているが、参考になる写真やデータがない。40ページに写真が1枚あるが、どの区画の被度何%の写真なのか不明。
盛砂範囲の状況表2−2(17ページ〜19)やメガロベントス調査(36ページ)に海草が写っているが、肝心の「導入した海草の生育状況調査」のところには海草の写真がない。今後継続して比較するために、写真は必要である。
「1枠のみが10%で、その他の枠は10%未満」とあるが、何時の時点の調査なのかも不明である。今後継続して調査し、比較するために、「導入した海草の生育状況調査」の目的、方法、データの開示方法、調査年月日、採取地の状況(被度、場所)等を明確に示すべきである。
事業者回答:調査目的、方法、期日など検討して次回に報告する。写真も提供したい。
提供したデータは実験終了後の3月 日のデータです。
4.泡瀬地区におけるクビレミドロの面積について
「平成17年3月に減少した生育面積は平成18年3月には回復していた」とある。
平成17年に減少した理由は「北東側からの風」が影響していたとあったが、回復した平成18年は、「北東側からの風」はなかったのか。回復した理由は何か。
事業者回答:風との関係は現在調査中です。
追加 当日、今年度工事区域の海草藻場調査について、「被度50%以上の海草藻場は無い」との報告があった。
それに対して私が次の意見を述べた。
「アセス書には海草藻場の事後調査の基準については、「海藻草類の分布、生育被度および10m×10mの区画内の生育状況(被覆状況)」とあって、被度の調査方法は10m×10mとは明記されていない。事業者の被度の調査方法に疑義があるので、今後その問題を追及していきたい。」
それにたいして、事業者は「その方法で継続調査している」として、問題にならないと反論があった。この論議を議事録に残すことになったが、時間も無かったので、あとで委員の意見を聞いてまとめることになった。